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「病院で働くということ」・・・Vol.6 医師に対する評価

医師は病院内外で、様々な方法・角度から評価を受けます。
患者さんやその家族はもちろん、ともに働くコメディカルスタッフ、雇用主である経営者、同僚・上司(指導医)・部下である医師などからです。

その評価はかならずしも一致するわけではなく、
「あの先生は患者さんの受けはいいのに、看護師には嫌われている」とか、「あの先生は経営者からは高評価なのに、現場スタッフには不人気」などさまざまな形で評価されています。
 
そもそも人が人を評価すること自体どんな業界でも難しいことですし、その評価には必ず主観が入るので、ある程度のばらつきは致し方ありません。
 
ただ病院という閉鎖空間においては、医療者の仕事や人物評価の総体がそのまま病院の評価や職場の雰囲気につながることになります。
 
個人的な見解としては、一般的な医師の評価で最も信用があると思われるのは、一緒に働く看護師の評価だと思っています。
看護師は施設よる違いがあるとはいえ、現在でも9割以上は女性職員です。医師に対する評価は、個々でみれば主観に依存することは否定しませんが、それらの評価が複数積み上がると、その評価が全体の総合評価にかなり近似してくることをよく経験します。
つまり一部の看護師に評価が高い医師がいても、同じ医師に対する他の大半の看護師の評価が低ければ、後者の評価はかなり信頼性が高いと言って良い、ということです。
 
一方で、患者さんからの医師の評価は高い評価と低い評価に極端にぶれやすく、一般的には治療の経過が良好であれば高評価になりやすく、経過が思わしくない場合には低評価になりがちです。
医師という職業は、すべての患者さんに良好な結果を与えられるとは限らない(ドラマで有名な「私、失敗しないので…」という医者は世の中どこを見渡しても存在しない)ため、経過が良くないときにどのように対応をし、説明や治療を行うかが問われているということです。
 
周囲の評価によって自身の診療対応を変えるようなことがあってはなりませんが、つねに医師はまわりから評価されている、と認識しておく必要はあると自身で肝に銘じてはいます。

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