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1/2の大学生

間もなく、2020年度に入学した大学生が卒業する。(留年とか休学してなければ)。

いつもこの時期は教員として感慨深いのだが、今年は特別な思いがある。なぜかというとこの年度に入学した学生は実質1/2しか大学生活がなかったからだ。

そう、その原因はコロナである。この年度に入学した学生は、入学初っ端からオンライン授業が丸々2年間続いた。一緒に授業を受けているのが誰かもわからず、キャンパスにも行けていないから〇〇大学の学生というアイデンティティも持てず、つまらないユーチューバーと化した教員の授業を1日に何時間も聞いた。

でもほとんどの学生は、それでも腐らずに単位を取得して晴れて3年生から対面授業となった。

でもコロナであっても就活スケジュールは変わらない。やっと対面授業になったのに、すぐに就活の準備をしなければならない。ある学生は「ガクチカなんてあるわけがない」と吐き捨てるようにいった。当たり前である。でも皆それぞれが考えうる限りの対策をして、最善と思う進路に進んで行った。

もちろん、大学生活が半分になった学生はこの年度に入学した学生に限らない。ただ比較するべきことではないとはいえ、最初の2年間を失うことの大変さは、他の年度に入学した学生とは比較にならなかったはずである。

本当によく頑張ったと思う。

1/2の大学生活であったのだから、これから先の社会人の生活がそのことを凌駕するような幸せなものであってほしいと心から思う。

卒業、本当におめでとう。


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