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その76 見つける

 食支援を必要としている人は何人か?以前にそんな記事を書きました。高齢者の2割弱。さらに高齢者以外にも食支援を必要とする方はいます。まずは皆さん、自分たちの地域でざっくり、何人くらいが食支援が必要なのか調べてみましょう。そして結論が出るはずです。専門職だけでは街は守れないと。

 さて、裏を返すと一般住民も参加で地域食支援をしなければならないということです。もちろん、専門職住民が同じことをするわけではありません。地域食支援には具体的に次の3段階あります。

①食や栄養に何か問題がある方を見つけること(見つける)
②それを適切な人につなぐ人(つなぐ)
③結果を出す

 食支援が必要な方は、まったく食べられず、胃ろうやIVHを入れた方だけというわけではありません。最近少しむせやすくなったり、食欲がなくなり痩せてきた人たちも対象者です。このような初期段階の人たちを医療者が見つけるのは困難です。家族や近くにいる人たちが気づいてくれなければ、早期発見、早期ケアができないのです。

 「見つける、つなぐ、結果を出す」という段階において最も難しいのが「見つける」ことです。体重が減っても「年だから」で済ませてしまったら早期発見になりません。住民に「何を見つけるのか」をしっかり伝えていかなければなりません。

75歳を超えたら毎月体重測定、3キロ減ったらケアマネか主治医に連絡といった具体的な言葉で伝えなければなりません。予防の第一歩は見つけること。しかも住民が見つけられることが重要です。地域食支援の最初の一歩は住民の知識、意識の向上。そのために専門職の社会教育が必須です。

 地域食支援の中で最も重要なのは地域住民が食に問題のある人を早期に見つけること。そのために専門職による社会教育が必要です。

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