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朝食は食べた方が良いの?

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
健康の為に1日3食しっかり食べましょう!と言われる人は多いです。一方で、自分の様に「食べない時間を意識的に作る」と言うことを言う人達もいる。一体どっちが正解なんでしょうか?朝は食べるべきか抜くべきか?と言うご質問。

現代の食環境において、過剰に食べていて理想体重より体重が多い人が圧倒的に多いですよね。体重が重すぎない人、特に生活習慣病では無い人は、1日3食食べても体調に問題なければ、3食を続けて良いと思います。

一方で、理想体重より多い人、つまり習慣的に必要以上に食べてしまっている人達は、腸内環境が悪化し、体中で慢性炎症が起きており、動脈硬化が進行している状態ですので、まずは食べ過ぎをなんとかしないといけないのですが、1日3食のままでこれを行おうとすると、朝昼晩に必要最小限の7-8割程度に制限することが求められます。常に満腹は感じられず少し物足りない状態が続く状態です。これでは継続は難しいですよね。

そしてインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」を改善させるためには、起きている間に食べない時間を作ることが効果的なんです。加えて、糖質(甘味+デンプン)への中毒症状を改善するのにも有効です。
そうなると、自分のライフスタイルに合わせた8−10時間の間に食事をすることになります。そうなると、2食+間食くらいになります。

加えて中高年の人達は、総代謝量が少なくなりますので、3食しっかり食べると食べ過ぎになる傾向が強くなります。ですから、食べない時間を作る方が体調が良いと感じる人が多いんです。ですから、無理に1日3食食べる必要はありません。そして、朝食を食べても良いですが、その場合は夕飯は抜くか軽めで十分でしょう。逆に朝食を抜いて、昼と夕にしっかり食べるか。自分のライフスタイルに合わせればよいでしょう。いずれにせよ、寝る前3−4時間前には食事は終わらせる様にしましょう。

と言うことで、
BMI=体重(kg)÷(身長(m)の二乗)の数値が22-25の範囲に収まる人、成長期の子供、周産期の女性などは1日3食食べても良いと思いますが、食べ過ぎに気をつけましょう。
BMI27を超えており生活習慣病で治療中の人、あるいはBMI30を超える人達は、定期的に食べない時間を意図的に作る、と言うことは必須だと思いますので、1日1-2食になる方が多いと思います。

ちなみに歴史的に考えると、有史以前から農耕社会や牧畜社会では、作業に出かける前と帰った時、1日2食が基本でした。つまり、
・食事を食べる→農耕に出る→食事を食べる
・食事を食べる→牧畜に出る→食事を食べる
と言う流れが合理的だったんですね。

日本では鎌倉時代に入るころから、中国大陸の留学から帰ってきた僧が、中国大陸の習慣から、1日3食食べる様になり、僧侶だけでなく公家にも1日3食の習慣が広がりましたが、一部にとどまっていました。
海外でも、古代ギリシャ、古代エジプトで1日3食の習慣があり、その後貴族階級は1日3食だったとされます。

1657年江戸の「明暦の大火」後、町を復興するために日本各地から集まった職人達が1日2食では足りない為に、屋台による外食産業が栄えたり、職人に正午過ぎにも食事を出すようになったことから、1日3食の習慣が定着したとされています。
同時期に、照明用の菜種油が普及して夜なべ仕事や夜遊びができるようになり、1日3食が一般的になったとも言われます。

ヨーロッパでは18世紀の産業革命時に、工場労働者を効率的に働かせるために朝食を食べさせ、昼寝をさせず夜遅くまで働かせる習慣が定着しましたが、米国で朝食習慣が定着するのに、トーマス・エジソンによる「1日3食が健康のもと」「朝食を抜くと不健康」と言う情報が影響したことも広く知られていますが、自身が発明したトースターを売るためだったとも言われます。

「1日3食が正解」「朝食抜きはダメ」と断言するメディア情報もありますが、この様に正解はひとりひとり違います。より詳しい食事指導を希望される方は、遠慮なくご相談下さい。

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