かわいいひとたち
すぅすぅ寝息を立てる弟。
その横に寝ころび、弟を見つめる姉。
「おもちくんは私にとってペット・・・?癒し・・・?だから!」
と、幼い語彙故の語弊が生じているものの、常日頃彼女なりに弟への最高の愛を語る上の子が、眠っている弟の長いまつげを見つめながら、
「かわいいなぁ、かわいいなぁ・・・」
と呟いている。
小学校高学年。
少し生意気になってきたけれど、まだ、あどけなさたっぷりの横顔。
ほっぺたがほわっとしている上の子は、生まれたての新生児の頃と、おんなじ顔をしている。
「ママにとっては、あなたもずーっと変わらずかわいいよ」
生まれた時の10倍の重さになった上の子のサラサラの髪の毛をなでながら、赤ちゃんの頃、ミルクの匂いに包まれて眠っていた彼女の、ほわほわの髪の毛と、むっちりと温かな重みを思い出していた。
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