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(一般向け)健診って意味あるの?


ども。
ようやく今年も確定申告を終えて
一服しています。
(まぁ僕よりも税理士さんの方が10倍大変だろうとは
想像しますが😅)

追加で納める税金も今年はなくて済みそうで、
ひと安心。

一般に医師はお金持ちだというイメージでしょうけど、
僕のような一般家庭上がりのサラリーマン医師
(しかもフリーランス=非正規雇用)
には手元には全然お金が残らないんですよ
(ホントつらい)

社会保険税と所得税が巨大な隕石の如く
年中降り注いできますので。

労働した分はちゃんとお給料がいただけるだけでも
感謝しないといけませんし、

フリーランスになったことで
自分の理想を以前よりも追求しやすくなって
自分の家族や大切な人と
過ごす時間を持てたことに後悔はありません。

愚痴はこれくらいにして、、、
本題に移ります(^^;)

今回は久しぶりの一般の方向けの記事になります。

健診結果を持ってきたある患者さんとの会話

内科の外来には健康診断で
「要受診」のハンコを押された方が
年中いらっしゃいます。

こないだこられた方も
「健診の結果で初めて要受診、必ず病院で検査を受けるようにって
書かれて、受診するまで自分はどんな病気なんだろうと思って
不安で不安で。。。」

とのこと。
こういった訴えは日常的に聞きます。

受けられた健診の結果をみたところ、
中性脂肪の数値が、たしかに基準値を少し超えている
HDLコレステロールも基準値よりも高いと書かれている

のがわかりました。

健診を受けた病院で、この結果についての説明を受けたのかを
確認すると
「病院にかかりなさいと一言言われただけで終わりました」
とのこと。

説明くらいしてもバチは当たらないのになぁ。。。
なんとも残念に思いつつ
僕の見解を示したところ安心されたようだったので、
3ヶ月の生活習慣の見直しを行い
再検査してみることになりました。

健診自体に意味はある、だけど、、、

僕は健診を受けること自体には
大大大大賛成です!

その理由としては、
普段意識していなかった生活習慣の見直しや
糖尿病、メタボリックシンドローム、高血圧
などの早期発見と理解につながる
からです。

また、
便潜血、胃カメラ、子宮がん検診などの検査は
がんの早期発見という
とても大きなメリット

あると思っています。
(がんの早期発見のメリットは計り知れませんが
それについてはまた今度)

そもそも僕たちは
いつまでも若くて健康な自分のままである
というイメージを引きづりがち
です。

大病で入院してきた高齢の方が
「若い頃から病気なんてまったくしなかったのに。。。」
とおっしゃることのなんと多いことか。。。

もちろんそれ自体は否定しませんが、
人間の体は
24時間365日絶え間なく働き続けており
哺乳類の中でもダントツで長寿なのだから、
いずれどこかに綻びは生じるものです。
(それは僕たち医師も例外ではありません)

ただ
徐々に老いていく自分のカラダのイメージがもてず
定期的なメンテナンスの必要性を感じにくい
というのもよくわかります。

なので
特にまだバリバリ働いている
中年の方や専業主婦の方などは、

健診を定期的に受ける事で、
普段具合が悪い時以外には行くことがない
病院、クリニックに赴き、

カラダへの注意を向ける機会を促し、
対話のなかでヒントを得る

絶好の機会となると思っています。

ただ同時に
このように健診を
本当に有効に活用できている方は
ごくわずかだなとも感じます。

それには理由があって、
冒頭のエピソードのように
健診結果をきちんと説明し
アドバイスできるような
フォローアップ体制が

できていないからです。

現状の多くの健診とは、
企業が体裁を整えるためだけに
(労働安全基準法を遵守するだめだけに)
受けさせているだけ

とも言えます。

ただ、
それも使いようではないかなとも感じます。

学校教育と似ていますね。
学校には義務で行かされるけど、
その中で得られる知識、体験、経験、考え方を
その後の人生で生かせるかどうかは自分次第。

健診も、使いようによっては
とても有益になる可能性を秘めている

と思います。

数値の絶対視はキケンだと思う

また
仕方がない事ではありますが、
現状での健診では
「数値」が絶対視されがちですが
これが僕は面白くありません。

もちろんそれは客観的指標として大切ですが、
基準から外れていたら即ダメか?
といわれると
そうではないと思いますし、
その逆もしかり。
基準値に入っているから絶対大丈夫!
というわけでもない
わけです。

そもそも
各項目の目標となる基準値は、
その方の遺伝要素や生活習慣、生き方への考え方
などにより変化するのが当然だ

僕は考えています。

例えば
家族全員が心臓発作で亡くなっている方の
血圧目標やコレステロール値は
通常よりも厳し目に見ておいた方が
同じ病気になるリスクを減らせる可能性が高いでしょうし、

ガン家系の方には
通常よりも積極的にがん検診を受けるメリットが
あるかもしれません。

これらを統計的に解析し
その結果をもとに
テーラーメイドの健診やアドバイスが受けられるようになれば
健診の意義は飛躍的に増すでしょう。

ただ現状では
そういったソフトウェアやAI技術は開発されていないため
僕たちのような内科医が
それぞれ最適だと考えるアドバイスを
していく
ほかないでしょう。

もっとも、
仮にその技術が開発されたとしても
得られた結果を噛み砕いて説明するという
僕たちの役割は
あまり変わりはないのかもしれませんね(^^)

健診を有効活用しよう!

僕がいちばん言いたかったことはこの一言だけです。
せっかく受けた健診ですから、
その機会を最大限有効に活用し、
「若々しく老いる」
未来を描いていきたいですね。

そのためにも
病院やクリニックをうまく使ってくださいね!

それでは、また。


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