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(医療従事者向け)フリーランスの医師に対する偏見


フリーランスの内科医に対する周囲の反応

日常会話の中で、
天気の話と仕事の話は
必ずと言っていいほど出てきますよね。

特に
僕の年代かそれ以上の
"おっさん"が集まると、
どうしても仕事の話抜きには
会話が弾まないことは多いのではないでしょうか?

その際に僕は自己紹介として
”フリーランスの内科医やってます”
と説明するんですが、
いつも相当珍しがられます(^^;)

みなさんの周りにはいらっしゃるでしょうか?

たぶん
僕が住んでいる地域(地方)だってことや、
自分が比較的若手よりの中堅(?)ということ、
いままでの経歴
専門医としての活動歴
その辺りも複合的に影響していると
思います。

特に医師仲間からは
「なんで先生がバイト医やっているの?」
とキツめのコメントを頂くことも多いです(^^;)

"フリーランスの医師"に対する偏見

僕がフリーランスの内科医を
名乗るようになってから、
なんとなく周囲の反応から
いろんな偏見があるのだろう
と推察しています。

特に、
医師からのあからさまな偏見
ちょくちょく耳にしたりします。
(さすがに面と向かって言われることはないですが。。。)

僕が感じた偏見というのは
次のようなものです。

・バイト医には向上心がなく、楽な仕事を適当にこなしている
・医師としてのプライドがなく、浮ついた生活を送っている
・定年後の医師のような"枯れた仕事"しか与えてもらえない
・面倒な仕事は常勤に押し付け、責任感がない
・教育も研究もせず、けしからん
・とても不安定な労働環境で、
まともな医師がするような勤務スタイルではない
etc…

実は
僕も常勤医時代には
似たようなことを思っていました
💦

まぁ当たらなくとも遠からずな部分も
なくはないですが、
でも実際に
僕がフリーランス医として
働いてみると、
全然違うなぁ
と思うことは多いです。

僕のフリーランス内科医としての矜恃

確かに、
フリーランスの医師は
病棟患者を担当して
入院から退院までの責任をもったり、

後進を育てる教育に従事したり、
アカデミックな活動に勤しむ
というのはあまりできません。

ただ、
医師としての"向上"というのは
こういうカタチしかないのか?
と考えた時
そうではないのかな
と思っています。

医師として働き続けているうちに、
いつの間にか僕たちは
目の前の患者さんに
"ありがとう"と言ってもらえることよりも


周囲の同僚や上司、同級生からの
「あいつはすごい」
「優秀だ」「素晴らしいキャリアだ」
「尊敬できる先輩だ」
という称賛のほうに
ついつい耳を傾けがちでは
ないでしょうか?

かくゆう
僕がそうだったという
反省
があります。

ではそれらの承認欲求を失った
フリーランス医として
自分が貢献できることはなんなのか?

今の僕にできることは
やっぱり
目の前の患者さんの笑顔を増やすような
外来診療を心がけること


常勤の先生のサポートになれるような診療をしていくこと
(後方支援)

だと思っています。

常勤医時代は、
内科医のくせに
僕は外来が
少なくとも好きではありませんでした。


日々緊急入院が押し寄せ
急変も日常茶飯事な病棟診療の合間に
外来を"こなす"。


次から次に押し寄せる紹介患者さん達、
(しかも紹介状には3行しか書いていない)
長々と身の上話をしていく患者さん、
他の医師のクレームを何故か散々僕に投げつけてくる患者さん
などなど。。。

どんなに頑張って大勢の患者さんの診療をしても
僕のインセンティブは全くなく(給与は変わらない)

それどころか、外来が遅くなると
外来が終わっても
病棟患者を見にいかなければ行けないので、

どんどん帰宅時間が遅くなる。

これじゃあ
外来を楽しくやっていくのは
ムリでしょう(=_=;)

もちろん
このようなスタイルで
長年頑張っておられる
先輩医師は大勢おり
本当に心から尊敬しています。

でもね、
その当時の僕は
外来中ずーっとイライラしていて
患者さんにも
周囲のスタッフにも
丁寧に対応できていなかったんです。

今でも
なぜ外来から入院まで
すべて1人がカバーしないといけないのか?

それ自体が
異常なことだと思っています。

だから、
僕が外来診療で
退院後の患者さんを受けたり
新規の患者さんの話を聞いたり
振り分けを行うことで、
少しでもそんな先生達の
圧倒的な負担を
軽減できたらいいなと思っています。

また
外来診療に専念するようになってからは
診療の質も
周囲のスタッフさんへの配慮も
患者さんの話を聞く余裕も
以前より格段に向上した
という
自覚があります。

これは
きっと僕を雇っている病院側にとっても
プラスの作用はある

思っています。

ラクをしているだけだ!
と言われれば
ある意味ではそうかもしれません。

でも、
その分不安定な環境に身を置くという
リスクを背負っているので
リスクベネフィットでいえばイーブンだと
思っています。

長々と書きましたが、
次回はフリーランスの医師になるに当たっての
注意点に
ついて、
僕なりに書いてみたいと思います。

それでは、また。

タイトル画像:
Blame by Nick Youngson CC BY-SA 3.0 Alpha Stock Images


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