「英語の学び」について考える Part 1 公立小学校への英語導入の功罪

 暫く更新ができず、ご心配のお声を沢山頂き、ありがとうございます。私が書いたものを、読んで下さる方がいるってとても幸せです。暫く空いた理由はそのうちに書きますが、今回はまず、英語の学びについて。

 小学校の学習指導要領に「英語」を導入してもう随分年月が経ちますが、私の子どもが小学校の学校公開週間で、英語の授業を見た時のお話から、始めます。

 担任ではない「英語」担当の先生が、パンダやサル、りんごなどの絵が書かれた大きなカードを持ってきて、黒板にサクサク貼っていきます。後ろで保護者としてその様子を見て、なかなか静かにならない小学5年生の子ども達に「ビー、クワイエットリー!」と叫んだのでびっくりしました!

 だって、私は国際会議で研究のプレゼン・質疑を英語で行い、国際学術誌に審査付論文の執筆をするので、英語は使い慣れています。多分その教諭は「静かにしなさい!」と言いたかったのでしょうが、皆さま、英語の5文型、ご記憶にありますか?

 そう、Be動詞を使う時は、主語(S)=補語(C)となるSVC、第2文型ですよね。Cには形容詞か名詞しか使えない。ですから、静かにしなさいって命令したければ、” Be, quiet !  "(ビー、クワイエット)と形容詞を使うのが正しく, ” quietly "は副詞ですから、これは間違った英語です。

 その上、子ども達に、用意してきたパンダやサルなどの黒板に貼った大きなカードを指して、「さあ、皆で発音してみましょう!」と全員で「パンダ!」「モンキー!」・・・その上で彼女曰く、「このクラスは発音がきれいで良いですねぇ〜!」って。単に、英単語を滅茶苦茶な発音で怒鳴っている子どもたちを絶賛!

 これは英語の授業ではない!私は、いきなり子どもに間違いながら教えることに対して恐怖すら感じました。その上、中学受験をしたいという生徒に「どうして?」と聞くと、「だって、高校受験すると、英語があるでしょう?ボク、英語、苦手なんです」って。「あのね、小学校でやることは、英語じゃないよ!?」とたしなめましたが・・・。

 小学校から英語嫌いを作ってどうする?今日は公立小学校で「英語」を導入した際の失敗の風景を描いてみました(実話です)。次回、「英語の学び」について、続きを書いて行こうと思っています。

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