★読書愛好会(26)

「村上春樹、河合隼雄に会いに行く」の書評を三年生男子が発表しました。成績がかなり上位の先輩で先日の全国模試では東大A判定だったそうです。A判定というのは合格率が八割以上という意味です。もちろん合格確実というわけではありません。

この本は村上春樹と河合隼雄の対談集です。村上がちょうど「ねじまき鳥クロニクル」を書いているときに行われた対談のようですね。

村上はデビュー当時、デタッチメント(他者との関わりをできるだけ避ける)作風だった。しかし徐々にコミットメント(他者と積極的に関わる)作風に変化していった。そのあたりの心情変化が非常に素直に述べられている、と先輩は言いました。

僕も今はデタッチメントかなあ。家族とは距離を置いているし、学校には部長以外、親しい人がいない。いま僕は部長に恋をしていますが今まで誰かをこんなに好きになったことはないのです。

父の若い頃は学生運動というのがあって若者が政府、警察と戦い死者まで出たと聞きます。今の学生は信じられないかも。連帯して何と戦うのか。現代は敵が見えにくい。敵は巧妙に隠れている。そんな感じがしますね。

部長は相変わらずマスクをしてときおりメモしながら発表者の話を真剣に聞いていました。

部長は決して社交家ではないですが、すごく仲良しの友人が何人かいるようですよ。東大受験専門の塾で小学生のころ知り合ったようです。

部長は両親とも仲良しだし、人間関係で何らかの悩みを抱えているという話は全く聞きません。僕とは全然違いますね。僕は大学生になったら親友ができるのだろうか。

部長による週一の学習指導は終了しました。部長自身、東大受験に向けて集中する必要があるため僕が彼女の勉強を邪魔するわけにはいきません。また部長とデートしたいなあ。僕はその日を待ち焦がれています。

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