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用意された制度で素早くワクチンを受けた話

7月20日に2回目のワクチン接種を行い、そろそろ抗体が十分量確保できる頃で、色々一息ついているところです。

筆者は千葉県在住30代男性ですが、明らかになっているデータを見ても、非医療従事者、非高齢者であるにも関わらず、かなり早い段階で接種完了した幸運な部類と思われる。別にコネや袖の下を使ったワケではなく、用意されているが知られてない手段、用意されていたが積極的に広報されていない手段を用いて、接種に漕ぎ着けることができました。

今回は、自分が接種に漕ぎ着けるまでにとった手段(現在使えないものを含む)や、接種に備えて準備したこと、接種の手順、接種後に起きたことについて、これから接種を控えている方の参考になればと思い書くことにしました。

有料になってますが誰でも全文読めます。気に入った人だけ買って頂ければ幸いです。

用意されているが知られてない手段

以前、こんなことを呟いたところ2000以上RTされ、想像以上に情報が行き渡っていないことを思い知らされた。

今もまだ接種券が届いていない人がいるが、6月は接種券が届いていない高齢者も大勢いた。その反面、今は枠を巡って熾烈な予約合戦が行われている自衛隊の大規模接種センターは枠が埋まっていない状態だった。

この頃、自治体によっては、上記ツイートの通りに自衛隊や県の接種会場での接種、つまり住んでいる市町村以外で接種すると申告すれば、未発送の接種券を送ってくれるところがあった。筆者も65歳以上の両親の接種券について申告を行って取り寄せて、自衛隊の大規模接種センターを予約して、とっとと接種させた。

大規模接種センターで打てるか、と思いきや

当初、高齢者に限定して接種していた自衛隊の大規模接種センターだったが、枠が余っている状態が続いていたため、6月17日以降は年齢制限を解除して、接種券番号があれば誰でも予約できるようになった。

この発表を受け、筆者の住む自治体は大規模接種センターで接種すると申告すれば、64歳以下でも接種券を発行することになった。対応早くて助かった…と思いきや、上には上がいた。

申告から接種券が届くまで、どうしても数日かかる。その間、予約枠はどんどん埋まっていく。ところが、自治体によっては、大規模接種センターでの接種を申告すると、接種券が届く前に電話で番号を通知してくれるところがあったのだ。接種券は接種の時にあればいいので、一刻を争う予約に必要な番号だけ先に教えておくのだ。申告で接種券送ってくれる自治体も良い方だが、電話で教えてくれる自治体住民と比べると予約が遅れてしまう。

※もっとも、先に電話で教える方式も問題があったようで、予約出来たは良いものの、接種日までに接種券の郵送が間に合わず、接種券無しで会場に行く事例があったため、この方式を取ってた調布市では取りやめになった。

案の定、接種券が届いてすぐに予約サイトを見たが、既に東京会場は全て埋まっていた。まだ大阪会場は空きがあったので、大阪行きを覚悟して大阪会場を予約した。念の為に書くが、東京も大阪会場もその時点で地域の縛りも無くなり、接種券があるならどこの住民でも予約できるようになっていた。

なぜそんなに急いでいたかというと、6月中に1回目接種しなければ、7月以降は2回目接種が優先されるため、1回目接種の枠が一気に減らされることになり、予約困難になるのは必至だったからだ。

東京会場キャンセル待ちを狙う

もっとも、大阪会場を予約したのはあくまで保険のつもりだった。というのも、予約キャンセルが出ると、都度枠が開放されるので、それを予約することも可能だったからだ。パソコンで、タブレットで、キャンセルが出る瞬間を待ち続けた。

しかし、キャンセル待ちを2日ほど続け、『これダメだわ』と悟った。この間、予約枠開放の瞬間は2桁ほど遭遇したが、クリックすると既に枠が埋まってばかりだった。時間選択の画面には2回ほど行けたが、それもクリックすると予約が埋まっている。こんな熾烈な競争に勝ち目はない。

不確かな情報を頼りにダメ元で行く

キャンセル待ちを諦めたが、それでも東京会場で打てる方法をTwitterで探索してみた。すると、大規模接種センターで当日キャンセル分を当日枠として開放している情報がちらほらあったが、「当日枠は無い」とするツイートもあった。なお、防衛省のサイトでは、当日枠の存在は一切書かれていない。当日予約無しで来た高齢者にも接種したという報道もあったが、これは高齢者のみの接種で枠が余っていた頃だ。その時点では全くの謎。

仮に当日枠が存在しても、混乱の元になるので、防衛省は大々的な告知は行わないだろうし、マスコミも報道を控えるだろう。不確かな情報だったが、とりあえず行ってみて、当日枠があったらラッキー、無かったら帰ればいいかと考え、ダメ元で行ってみた。なんかゾンビ映画であるよな、こういうの。

大規模接種センター当日受付

6月20日、大手町の大規模接種センターには午前7時少し前に到着した。その日は日曜日で雨。休日だから混んでいるだろうし雨だから、平日で晴れの予報の明日行った方がいいのではないかと思ったが、とりあえず善は急げと行ってみた。これは後に正解だったと分かる。

雨の中、会場入口で警備員が札を掲げているのが見えた。札にはこう書いてある。

ワクチン接種
当日受付
最後尾

やったぜ。

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なお、この当日受付は現在行われていない。20日は朝7時に来ても受付可能だったが、23日には始発前に打ち切られるまで殺到するようになり、行列が問題になったために取りやめになった。自分が来る数日前まで、10時に来ても接種できたほど緩かったらしいが、情報がネットに拡散して殺到するようになったそうだ。自分はギリギリで余裕があった頃に来れたらしい。

受付から接種までの流れ

8時頃に列が動き出し、東京会場である合同庁舎3号館の前に設置されたプレハブ小屋で受付を行う。プレハブ小屋内では、次のような手続きを行う。

手荷物検査
バッグ等を開けて、中身を見せる。自衛隊のイベントに行った方は分かると思うが、要領はそれと同じ。

検温
非接触の体温計で検温。検温すると体温が印刷された紙を渡されるので、それを持って受付へ。

受付
接種券と事前に書いた予診票と身分証明書を提示。予診票が未記入の場合、ここで書くことになるが、時間がかかるので事前に記入しておくこと。

待機
受付が終わると、必要書類を入れたクリアフォルダを渡される。このフォルダは着色されていて、その色と同じ座席で待機させられる。待機は短く、5分もかからないで、色ごとに案内される。

待機(庁舎内)
プレハブを出て庁舎内に入る。庁舎の1階で、また色ごとに待機となる。

エレベーター
色ごとに案内され、エレベーターに乗る。この時、壁側を向いて乗るよう指示される。

予診票確認
予診票に記入漏れがないかチェックされる。お薬手帳などもここでチェックされた記憶。

予診
医師による問診が行われ、接種が可能か、経過観察時間は何分かが決まる。自分は1回目は海上自衛隊の医官による予診で、アレルギー持ちなので経過観察30分となり、30分と書かれた紙を渡される。2回目は1回目で問題がなかったせいか、15分と判断された。

接種
看護師によるワクチン接種。荷物を置き、上腕部を出して接種を受ける。看護師も自衛隊が出しているかと思ったが、2回とも民間企業の看護師だった。2回目は打ちどころが悪かったのか、針を刺した瞬間にビクンと腕が反応した。確かここで経過観察が終わる時刻が書かれた紙を渡される。

証明書交付・次回受付
接種券にワクチンのロット番号が書かれたシールが貼られ、接種日が記入される。1回目の接種では、ここで2回目の接種日も決める。大規模接種センターはモデルナのワクチンなので、2回目は4週間以上先になる。

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経過観察
椅子に座って、紙に書かれた時間まで経過観察。通常は接種から15分で帰れるが、医師の判断で変わってくる。ワクチンの副反応を説明するビデオを流すテレビや飲み物の自販機が置かれています。自分はこの時、大規模接種センターの大阪会場の予約をキャンセルしました。

帰宅
経過観察終了後、エレベーターで1階まで降りて帰れる。自分は地下鉄で来たが、皇居側の出口に向かうと東京駅までの無料シャトルバスが出ているので、それも利用できる。バスは東京駅の丸の内側で降ろされる。

大規模接種センター所感

自分は1回目は朝7時頃に到着し、9時には接種を受けることができた。当日受付でもこの速さだったが、予約ありの2回目は1時間かかっていない。大規模接種センターは1日1万人接種するために、かなりシステマチックに運用されている印象を受けた。

また、1回目と2回目で流れがやや変わっていた。プレハブ内の受付は、1回目は椅子が用意されていたが、2回目は立って受付を行った。効率のために変更したのだろうか。

大規模接種センターは自衛隊が運営しているが、スタッフに自衛官は思ったより少ないように見えた。場内の案内は旅行会社の社員、受付も民間と思われ、自分が接した中で確実に自衛官だったのは、問診をした医官だけだった(制服の自衛官はちらほらいる)。

気になったのは、接種した看護師が民間だった点だ。元々、自衛隊の大規模接種は、自衛隊が大規模な接種にも対応できる組織だということで始まったが、自衛隊の医療リソースは以前から少ないと言われていた。大規模接種に派遣出来る余裕あるかと思っていたが、やはり外部のリソースを使わざるを得なかったということだろうか。実際、自衛隊の職域接種が進んでいないと報道されており、大規模接種センター運営での影響があったんではないかと気になっている。

接種後の副反応

さて、接種で気になるのは副反応だが、1回目に関して言えば、インフルエンザの予防接種と大して変わらなかった。接種翌日、打たれた箇所が少々腫れて、そちらを下にして横になると、痛くて不快感があった程度。『あ、これなら2回目も楽勝やん』と舐めてましたこの時は。

2回目。接種当日は打った箇所に徐々に痛みが出てきたが、生活に影響するほどではなく、この程度なら大したことないなと思い、ロキソニン飲んで寝ました。翌日も起きた時は大したことなく、午前は普通に出かけていたのですが、接種から25時間(2回目接種は夕方でした)経つ頃には、倦怠感と全身の痛みで歩くことが苦痛になり、1キロちょいの移動にタクシー使うくらいでした。

帰宅後、辛くてすぐに横になっていたのですが、気力がなくて体温測ることもロキソニン飲むこともすっかり忘れていたのが失敗でした。20時過ぎに体温を測ると38.4度と、4年前にインフルエンザに罹って以来の熱が出ていました。ただ、倦怠感と熱はひどいのですが、咳や鼻水といった気管支症状は一切ありません。

この時、役に立ったのが、冷凍庫に入れておいた500mlペットボトルの水でした。寝る前に飲みかけの水を冷凍庫に突っ込んでおいたのが、いい感じに水と氷が混じった状態になっていて、キンキンに冷えた水を飲めて精神的に楽になりました。普段から凍らせていたペットボトルも出して、タオル巻いて脇の下に突っ込み、ロキソニン飲んで横になったところ、2、3時間でだいぶ楽になり、パソコンでウマ娘プレイ出来るくらいには回復しました。

この翌日にはすっかり回復し、5時間くらい運転しても全く問題ありませんでした。自分の場合、6時間ほどしんどい時間がきたが、一気に回復した印象です。この程度なら、ワクチン打つ方がコロナに罹るより1万倍マシですね。

早く接種を受けたい方へ

とりあえず言えるのは、常々アンテナを張っておくことです。居住する自治体のサイト、都道府県のサイト、自衛隊の大規模接種センターサイトは毎日、それも複数回確認した方がいいと思います。自分の場合、1日でも確認を怠っていたら、1ヶ月以上接種が遅れていた可能性があったし、軽くても大阪に2回も行く羽目になっていました。

あと、自治体のサイトは特に詳しく読みましょう。自分も接種券の送付について、回りくどい書き方だったために気づくのに少し遅れました。接種の予約が止まっていても、基礎疾患を有する方は別口で予約できる自治体もあります。喘息なども基礎疾患に含まれるので、よく確かめましょう。

また、職域接種の近隣住民への開放がありますが、これはGoogleのような検索エンジンを使うより、TwitterなどのSNSをチェックしたり、ヤフーのリアルタイム検索をチェックした方が情報入手しやすいのではと感じています。

もっとも、自治体によってポリシーが異なるため、自治体ガチャという壁がありますが、とにかく情報を集めて先に動いたモンが得するような構造にあります。Twitterを見ても、ワクチン接種したいのに予約できない人がいる一方、あっさり近日中に予約できた方もいます。こういうのは公衆衛生として不健全な状態にあると言わざるを得ないので、一刻も早く希望する全ての人に、ワクチン接種出来る日が早く来ますように…。

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