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【ゼロから始める中医学】漏らさず貯える〜腎の生理〜

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こんにちは!
HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉
今回は五臓の最後、腎の生理についてみていきたい。

1.腎と精の密接な関係!腎の生理作用

腎の生理作用は「蔵精」「主水」「納気」の3つ。

【蔵精】
①精を貯蔵
②精の機能
③生命活動を調節
【主水】
水分代謝を調節
【納気】
吸気を補助して呼吸のバランスを保つ

①蔵精

精を貯蔵する機能を蔵精という。
腎は精を貯蔵し、精の生理作用や全身の生命活動の調節は腎の機能に含まれる。

飲食物から得られた精はまず五臓に分配され、余った分が腎に貯蔵されこの貯蔵された精を腎精という。
腎精は気血を生み出す基本的な物質であり、髄に化生して髄海の滋養もしている。
また腎精が充足すると天癸が化生されて、生殖機能が備わる。

不足すると成長、発育に必要な気血も不足し、成長不良、発育不良が起こる。
さらに精を気血に十分に化生できないと身体の抵抗力が落ち、虚弱体質易感冒にもなりやすい。
また髄海を滋養できないと耳鳴り、難聴、眩暈、脱毛、健忘などの症状が、天癸が十分に化生されないと、不妊症、無月経、陽萎、性欲減退などの症状が出現する。

では生命活動の調節とはどういうことだろう?
各臓腑の原動力になる原気も腎精から化生されている。
さらに腎精は腎陰と腎陽の化生にも関わり、腎陰と腎陽は全身の陰陽の平衡を維持することに関与する。
原気への化生で各臓腑の原動力となり、腎陰、腎陽への化生で全身の陰陽の平衡維持に関与しているため生命活動の調節も腎の作用に含まれるのである。

原気が十分に化生されないと、各臓腑の機能が減退するため倦怠感無力感が出現する。
陰陽の平衡が維持できないと、陰虚でほてりのぼせが、陽虚で寒がり冷えなどの症状が出てくる。

②主水(水を主る)

水液代謝を調節する機能を主水という。
腎は肺や脾を補助し津液を循環させ、身体に必要な津液を保つ。
さらに不要な津液は尿として膀胱から排出させている。
そのため水液代謝の要ともいわれる。

腎の機能が失調して主水に影響が及ぶと、津液を肺に送ることができず、痰湿となって浮腫が出現する。
また排出に影響すると下痢夜間尿小便不利などの症状が出てくる。

③納気

吸気を補助して深く吸い込ませ、呼吸のバランスを保つ機能を納気という。
呼吸は肺の機能だけでなく、腎の納気による補助を受けて初めて正常に機能している。

腎の機能が失調すると納気が不十分になり、深い吸気ができず、咳嗽、喘息、呼吸困難などの症状が出現する。
上手く深呼吸できない時は肺だけではなく腎の機能失調も疑った方がいいだろう。

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