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『プリズム』参加者レポート⑩

レポート作成者:野口天音 さん

私は今までワークショップに参加したことがあまりなかったので、どんな感じなのだろうと初めはドキドキとワクワクでした。私の中でワークショプと聞くと、オーディションに繋がるもの、自分の演技力が試され評価されるようなものというイメージがあり、今まで挑戦する勇気がありませんでした。しかし、要項の長谷川さんのプロフィールに「参加者が役としてその場所に『いる』という現象を作り出すことを目指している」という文を見て興味を持ち参加しました。ワークショップではまず自己紹介をした後、二人一組で漫才をしました。初めましての人とする漫才は、お互いを探りながら話題を引き出しつつ観客を意識するというようにタスクがいくつもあり大変でしたが、自分にとって新しい経験で新鮮でした。相手のことを探って話題を出すことに必死でなかなか観客を意識できていなかったのが少し悔しかったです。 その後、グループに分かれて台本を読み合わせ、最終的には台本を外して前で演技をしました。台本は当日渡されたもので数回の読み合わせではセリフを覚えることはほぼ不可能なので話の大まかな流れを掴むことを意識して読み合わせをしました。舞台での演技は、台本がなくどうなるかわからなかったので少し不安でしたが、終わってみると楽しいという感情でいっぱいでした。演技中は舞台にいる仲間のセリフや動きの出方をお互いに探りつつ演じていたので、普段演技をするときよりも自分以外の周りのことを気にかけていたと思います。普段演技をする時は決められたセリフの中で演じていますが、今回はセリフをほとんど覚えていなかったので相手の出方に合わせて笑ったり、返事したりと自然な反応が出ました。これもまた自分が演技する際に活かすことができる良い発見だったなと思います。また、他のグループを観ていると自分たちのグループとは異なった表現の仕方、役の個性だったのでとても勉強になりましたし、楽しかったです。同じ脚本を何度も演じたり、観たりしたので1日で脳みそが溶けた感覚に陥りました。しかし、その分たくさんの発見ができたのでとても良い経験になりました。自分と役と舞台と客席がグラデーションになっているように、その役の思考や経験を自分の中に取り込み作り出し、自分の舞台に立つ、という感覚を味わうことができたので今後の自分の活動に活かしていきたいと思います。ワークショップ後は今回一緒に参加した方々とお話しして、繋がりを持つことができたので個人的にはとても嬉しかったです。今回のワークショップでは多くの学びを得ることができました。また、次回も参加しようと思います。

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