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2016.8.12 cakesウラ話〜相手が話しやすい話の聞き方、3つのコツ〜

--この記事は投げ銭記事です--

こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
今日公開のケイクス記事は、「恋人でもセフレでもない関係、「ボディパ」について聞いた話」です。記事はこちら

さて、この「ボディパ」なる新しい男女関係。かなりの美人がこういう驚くべきお話をしたので、私は冷静さを保つので精一杯でした。まったく、世の中いろんな人がいるものですねえ。

私はcakesで連載をさせていただくに当たって、今回のようなsexualな内容は極力書かないようにしています。その理由はいくつかありますが、一番大きい理由は「品位を落とさないようにするため」です。品位なんて大袈裟なのですが、恋愛コラムを書く人の中でそういったものを書かない人が一人くらいいても良いのでは、と思うのです。そういう事柄が苦手な人に私は寄り添いたいと思っています。ま、勝手なお話です。

今回の記事はやはり女性にお話を伺って記事化したのですが、こうやって取材させていただいた方は、その後も長らく友人関係を持って親しくさせてもらう方もいれば、残念ながら疎遠になってしまう方もいます。私としては親しくさせていただきたいのですが、こちらからお誘いしなければ縁が切れてしまう人だとだいたい続かなくなってしまいます。その理由は私が物理的に時間を取れないことが大きいのですが、向こうから「また食事でも」などと言われないと私からばかり誘うということになり、それはあまり健全でない関係な気がしてしまうのですね。いっそのことレストランとタイアップして「美女×美食」みたいなコラムを書いてもみたいなあ。そうすれば定期的に(強制的に)アポの予定が作れますしね。どなたかそんな企画を考えてくれないかなあ。

私は親愛なるcakes・note読者諸氏のために新しいタイプの美女からお話を伺いシェアするという使命がありますから、一度お話を聞いた方はどうしても疎遠になってしまいます。そういうスタイルはどうも気持ちが悪いのですが、仕方ないと諦めています。

言い訳が長くなってしまいました。

さて、今回は「相手が話しやすい話の聞き方3つ」についてお話致しましょう。これは私の医者として多数の患者さんのお話を聞き、さらには恋愛コラムニストとしてたくさんの美女や男性から聞いた経験で会得したものに加え、医学的に正しいとされる話の聞き方も含めたものです。経験則に加え理論的な根拠もあるものなので、ぜひみなさんお使い下さい。

1、初めてのピンアポはカウンターで

2、腕組み・足組みをしない

3、細部を聞く

順に説明しましょう。

1、初めてのピンアポはカウンターで

これは何も男女に限らず、男性同士でも同じことが言えます。ちなみにピンアポとは1対1で会って食事などをすることです。

人間はまっすぐに向き合って話し合うと、相手から強い圧迫感を覚えます。これはみなさん同意していただけますよね。ですから最近は病院の世界でも、まっすぐ向き合って患者さんと話をすることは避けるというのが常識になってきています。医学部の「医療面接」という試験でも、実際に患者さんと自分がどう座るかということまで採点対象になっているのですよ。そこでの正解は、「自分と相手の体の向きが90度になるように座る」というもの。図式化するとこのようになります。

ですから、この<良い>のように座ることが理想的です。ですが、飲み屋さんなどではカウンターの端っこくらいしかこんな角度が実現できるところはありませんね。ですから現実的にはカウンターに座り、体勢をこのようにすればよいのです。

これは基本中の基本です。

こうすべき理由はいくつかありますが、一番大きいのは「相手に視線を逃す余地を与えてあげる」という点でしょう。話に詰まったり答えづらくなったり、あるいは沈黙になった時に自然と視線を宙に浮かせられるのがこの座り方です。

さらには、「お互い見ている方向が同じだから、同じ目的や目標に向かって一緒に頑張っていける気がする」という点も重要です。これは医療面接(医者が患者さんと話をするすべての面談です、がんの告知なども含まれます)でも特に強調されているところで、二人の目線の前に電子カルテのCTの画像を出したり内視鏡画像などを出して、「この病気に対して一緒に頑張っていきましょう、力になりますよ」という姿勢を伝えるのです。

女性との、あるいは男性とのピンアポでも同じこと。「一緒に恋の神秘を解き明かそう」という姿勢は、自然に相手の心の武装解除を可能にしますよ。ま、これは基本ということで。

2、腕組み・足組みをしない

いわゆるnon-verbal(非言語的)なコミュニケーションについてのお話です。
これはよく言われていることですが、腕組みや足組みは無意識のうちに相手を拒絶しているサインです。やっている本人もやられている方もお互い無意識のうちにそれを感じることになります。
これは意識的に避けることで、相手との心理的な距離を離さないようにするという技術です。
これは何も腕組みだけではありません。他の髪をいじるや口元を触るなど、あなたが無意識のうちにしている「癖」も同じような拒絶の意味を持つことになります。ですからこれらも避けるべきです。

ちょっとやってみてください。はじめのうちは少し難しいのですが、慣れてくるとこのような癖は我慢できますよ。そして我慢することによって相手の話に集中できるという効果もあります。
コミニケーションのうちの何割はnon-vervalなものであるという言説が広まっていますが、私も基本的にはそれに賛成の立場です。ただ、相手により、そして自分の顔や見た目により、そしてそのお店や部屋の雰囲気、その日の天気などにより大きく変わりうるものだと思っています。それを読み取るのもコミュニケーションの大切なスキルです。

3、細部を聞く

1つだけ少し毛色が違いますが、これが私がとても大切にしていることです。文字通りお話しをしながらすごく細かいことを聞くと言う技術です。これを聞かれると聞かれた本人は自分でも気づかなかったような事実に気づかされることになります。つまりそちらとの対話を通じて自分との対話をすることになるわけです。自己認識と理解がより深まると言う事ですね。
例を出しましょう。

・その知らせを聞いたとき、あなたは何を食べていたんですか?どうしてその日はそれにしたんですか?その時の味はどうでしたか?いつもと比べて違いましたか同じでしたか?歯ごたえは?味は?のどごしは?

といった具合です。

実際にcakesでもこんなシーンが登場します。

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それは冗談として、私は彼の部屋に行きました。そして、彼に鍵を渡しました。「本当に申し訳ない。俺はこういう人間だ」そう言った彼が着ていたONEPEACEのTシャツが、不思議と今も忘れられません。(「彼氏の家に行ったら全裸の女性に説教されたバレリーナの話」より)

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これも「その時に彼はどんな服を着ていたんですか?」という細かい質問をした結果いただいた答えだったのです。彼女は「なぜそんなことを聞くの?」と言うような顔をしてらっしゃいましたが。

このように詳しく聞かれる事は、相手が自分に真に興味があると言う証左にもなります。
また、「神は細部に宿る」と言うように、細部から全体像が見えてくるということがしばしばあります。不思議ですけどね。
細部を極めて細かく聞くという事はこのような効果があるんです。


最後に

本記事をお読みになって、「嫌だなあ、医者はそんなこと考えてちゃんと聞いたふりをしていたんだ」とか「雨月はそんな技術で相手をだましていたんだ」などと感じられる方がいるかもしれません。

人と会ってお話を聞く上で一番大切なことはもちろん、「相手に興味を持ち、相手のお話を真摯に聞く」ということに他なりません。ですが、この3つのコツを実践することで、実際に聞き手側の自分の方の態度が変容してくるという効果も期待しているのです。そしてそれは本当に期待できるのです。そんな相互作用が、これらの技術の特徴です。

いかがでしたか。いちどぜひお試しください。
この記事は200円投げ銭制にさせていただこうと思います。投げ銭してくださった方のために、「医者がお腹をこわした時すること」というお話を致しましょう。

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2016.8.12 cakesウラ話〜相手が話しやすい話の聞き方、3つのコツ〜

雨月メッツェンバウム次郎

200円

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雨月メッツェンバウム次郎

うげつ、ミドサー外科医。cakes「それでも僕は外科医をやめない」連載していました。恋や医者のおはなしを綴ります。

cakes連載記事、あそこには書けない週刊ウラ話

cakesで毎週金曜の連載「それでも僕は、外科医をやめない」のウラ話や続きを書いています。ここだけでもお楽しみ戴けます。

コメント1件

初のピンアポは確かにカウンターの方が上手くいくのは体感としてありましたが、説明でしっくり来ました。基本なんでしょうけど、その基本たる所以が。
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