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【体温調節が苦手】 知的障がい者の困った(本人も困っている)行動の一因

私の朝は、大雨でなければウォーキングからスタートします。

顔を洗って歯を磨き、化粧水と日焼け止めをつけて、ウエストポーチに携帯と水の入った小さな水筒を入れ、タオルを首から下げてレッツゴー!

距離は短くても続けることが大切と、ほんの30分ほどだけですが、続けるようにしています。最近は朝から暑くてそれだけで汗びっしょりになります。

こうやって身体を起こし頭を起こしてから1日がスタートします。

汗をかいて汗腺を働かせることはとっても大切。真夏になるまでの季節の変わり目、まだ充分に身体が暑さに適応できない間は、汗がかきづらく熱がこもってとてもしんどいのです。そのままだと熱中症にもなりやすいですし、食欲不信や睡眠不足の原因にもなります。


ところが、私の娘は…

今年は未だに、汗がかけていません。

手足も首もお腹も背中も触るととてもあったかいのにちっとも汗がかけないのです。

これもアンジェルマン症候群の特徴のひとつのようで、ほかのお母さん方に聞いてもアンジェルマンの人は汗がかけずに熱がこもる人が多いようです。

アンジェルマンに限らず、このようなしんどさを抱える障がい者は結構多いです。


⤵️こちら、去年書いた【初夏の試練 体温調節】という記事です。


それに加えて、水分がうまく補給できないとin-outのバランスが乱れ、排泄にも支障をきたします。つまり、便秘になりやすくなったり、尿量が増えたり減ったりもします。そうするとお腹も気持ち悪くなります。

5月〜初夏は彼女にとって不快で、イライラしんどく辛い季節なのだろうと思います。

だからでしょうか。人に対して手が出たり、掴んだり、引っ張ったり、自分の爪を剥いたり、自分の体を傷だらけにしたりという【自傷他害】が起こりやすくなります。


娘の支援者さんの中には、もう何年もお世話くださっている方がたくさんいらっしゃるので、毎年の季節による体調変化に気づき、【自傷他害】に目を向けるのではなくて【その原因】にアクセスしようとしてくれます。

この季節になると、タオルと下着を鞄の中に常備しておくと、毎日常温のお水で絞ったタオルで胸や背中、手足など表面積の広い部分を清拭して気化熱で熱を下げたあと、下着を着替えさせてくださるのです。

娘もすっきりすることがわかっているようで、身体を拭いてもらうのが大好きです。

また、排泄の失敗が増えても根気良くタイミングを探ってくださりつつ、水分補給に努めてくださいます。

不快を一つずつ取り除いて、言葉で伝えられない彼女が起こしてしまう【困った行動】を減らそうとして下さいます。

支援者の皆様の、あたたかくプロフェッショナルな思考と技術にはいつも感謝の気持ちでいっぱいです。


汗をかく。体温を調節する。そんなごく一般的な生理現象に支障をきたして日常生活を安寧に送れない障害(状態)もあります。

言葉のないこの人たちが、どんなことで辛いか、機嫌が悪いか、情緒が安定しないか、そしてそれゆえに【自傷他害】に陥ってしまうか、などは、知って想像力を働かせてくださらないとなかなか理解していただけないことが多いのです。

結果の【自傷他害】だけを見て【異常行動】【問題行動】【迷惑な行為】と言われちゃうと娘も親もとても辛いです。

わかっていただければほぼ理屈は通るのです…。

そんな彼女らの声なき【言葉たち】を、長年の付き合いで何とか汲み取れた(と思しき)者が、こうして代弁したり、人にわかっていただけるように発信することって大切なことです。

少しでも多くの方々に、この子たちのマイナーな世界に触れていただき、想像していただけるよう、ちょっとした事象を丁寧に発信していきます。

(とはいえ、長年の付き合いでもなかなか正解が分からないことも多いのですが(^^;;)



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最後までお読みいただきありがとうございました。

地域の保健室をしつつフリーランスとしてお仕事している笑顔大好きなつままが、重度障害であるアンジェルマン症候群のキュートな娘との豊かな生活と、医療や福祉について思うこと、日々の小さな気づき・感動などを綴っております。

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