悩ましい認知症アドバイス

認知症の人が悩んでいるのを見て、優しく親切な人が相談に乗っている。何に悩んでいるのか、問い詰める。悩みの内容を確認して整理してあげようとしていることが見てとれる。本人がひと言言うとさらに三つの質問とアドバイスがある。その繰り返しをして10分すると、認知症の人は、「何がどうなって居るのかわからなくなった。」と座り込んで頭を抱えこんでしまった。自分の知りうる全ての情報を親切さで提供して上げた結果だ。混乱と悩みが深まってしまった。
 認知症の人が悩んでいて混乱している時には、子ども扱い的な問い詰めやアドバイスはせず、言葉少なに、本人の気持ちが落ち着くまで待つことが大切。落ち着いた後、私が本人に確認すると、悩みのポイントは一つだった。そして悩みは忘れた。


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