稲葉 修

毎日生きて72年

稲葉 修

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最近の記事

    • 巣箱のふんわりベッド

      • 人はなぜ走るのだろう

        人はなぜ走るのだろうか、名誉が欲しくて走る人がいる、お金のために走る人がいる、金メダルを取るために走る人がいる、健康のためにと走る人もいる。いろいろなマラソン大会や駅伝大会に参加して走る人もいる。速さを競うわけでもなく、順位を争うわけでもなく、ただひたすら走る姿は見ている人の心を打つ力を持っている。顔見知りのそこら辺の人が真面目な顔をして、必死で走っている地元で先日行われた駅伝大会。スポーツはこうでなくっちゃ。

        • チャボの陽なたぼっこ

           暖かな正月、チャボを小屋から出してあげると縁側で陽なたぼっこを始めた。何と平和な姿。飼い主が隣で一緒に陽なたぼっこをしていても、目を閉じて居眠り。母鳥が育てたチャボは人を警戒して遠ざかるが、このチャボはヒヨコから私の手の中で育てた手乗り。人を恐れることなく寄って来ては、突き蹴り手に乗って来るので子どもの様にかわいい。もう10年近く飼っているから老鳥だが、若鳥のころは卵をたくさん生んでくれた。市販の卵より二回りほど小さいが、茶碗のご飯にかけると程良い量で、孵化したヒヨコはこの

          宙に浮く月

          昼間の空を見上げるとお月様が宙に浮いて見える。空間にポカンといる。星と共にいる夜のお月様と別物に見える。地球を照らすこともない。  月から地球を見たら、同じように宙に浮いて見えるのだろう。単なる天体の一つとして。宇宙の流れでいつかは消えていく運命にある地球と名付けられた星。そこに私が一瞬の間いたことなども消えてしまう。億年単位で自分の存在を考えると面白い。さて、今日は正月のおせち用のコンニャク造りをしよう。

          悩ましい認知症アドバイス

          認知症の人が悩んでいるのを見て、優しく親切な人が相談に乗っている。何に悩んでいるのか、問い詰める。悩みの内容を確認して整理してあげようとしていることが見てとれる。本人がひと言言うとさらに三つの質問とアドバイスがある。その繰り返しをして10分すると、認知症の人は、「何がどうなって居るのかわからなくなった。」と座り込んで頭を抱えこんでしまった。自分の知りうる全ての情報を親切さで提供して上げた結果だ。混乱と悩みが深まってしまった。  認知症の人が悩んでいて混乱している時には、子ども

          悩ましい認知症アドバイス

          待ちきれない患者

          先月のこと、頭のてっぺんに盛り上がりが出来て角が生えて来たのかと心配になり、仕事場の従業員の送迎車の中で話すと、いい皮膚科があると紹介されたので早速その足で受診した。丁度午後の受け付けが始まった所で三番だった。待つこと10分で呼ばれて診察室に、お医者さんが頭の患部を覗いて、「これは病気ではありません。ほっておいても大丈夫ですが、薬で取ることも出来ます。薬出しますか?」と、聞いてくれたので、要らないと断って診察終了。この間1分。会計まで10分。合計20分ほどで終了した。久しぶり

          待ちきれない患者

          力のある女性と弱い男性

          救急車に力のいらない電動ストレッチャーが導入されたと言うニュースを耳にした。その担当の消防士が、「女性でも楽に患者さんを運べて良いもの」と感想を述べていた。が、女性でも力のある人も居れば男性でも力の弱い人も居るわけで、こういう所に男女差を意識しているのがわかって面白い。

          力のある女性と弱い男性

          星と共に生きる

          星空をたまには見上げよう。地球が動いているのがわかる。昨夜は月と土星を望遠鏡で見た。土星の輪がハッキリと見えた!72歳の初体験。無数の星たちの一つ。星空を眺めると、自分が立っている所がわかる、そして宇宙の一つの生命体であることがわかる。自分が生きていることも。

          星と共に生きる

          寝たきりで意思疎通ができない人はいるのか?~先の家族心中事件報道から~

          私の40年余りの障がい者福祉や高齢者介護の現場経験では、寝たきりで意思疎通ができない人には会ったことがない。99歳で寝たきりで、体で動くところは、まばたきと食べ物の飲み込みだけ。手足を自分の意思で動かすことも寝返りも発語も全くできない。それでもグループホームの介護職員の私たちは言葉をかける。ある日、私が「新しい東京タワー(スカイツリー)ができたそうです。見に行きますか?」「行きたくないときはまばたきしないで、行きたいときは2度まばたきしてください。」と言って問いかけして反応

          寝たきりで意思疎通ができない人はいるのか?~先の家族心中事件報道から~

          今何時・今日何日・何曜日・何月・何年・何歳?・・・虫のように過ごす

          生き方を虫に学び虫のように過ごそうと思う。年も重なり、認知症にならないと、きょうは何日何曜日の今何時だ?と気になる。誕生日が来ると何年生きてきたのかなと気になる。ふと見た足元の虫、こんなきれいな服を着てどこに行くのか、何をしようとしているのかきっと考えているに違いない。秋が始まったのを感じているに違いない。認知症の人たちと長いこと一緒に暮らしてきたが、時間も暦も不要。宇宙の流れに乗って生きているようだ。この虫のように。

          今何時・今日何日・何曜日・何月・何年・何歳?・・・虫のように過ごす

          カラスの会話

          今日の夕方、私の目の前の杉の木のてっぺんでカラスが会話している。かあかあなんて単純なものではない。グーグー、カカカ、クワクワ…と長い。今日あったことを報告し合い明日の予定を確認しているような。時々私もその会話に入るが、カラス語のつもりで「グァグァー」と上を向いて話しかけると、静かになってしまう。私の知り合いの老人がよく言っていた「ほれ、カラスがアホーアホーと言っている。」本当に人間の馬鹿げた仕業を見抜いているようだ。

          カラスの会話