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球団News!2022.4.22号 都市対抗一次予選終了

タイトルではまるでついさっき都市対抗の一次予選が終了したような感じだが、実は数日前に終わっている。
結果は敗退。
鹿児島ドリームウェーブは、二次予選にコマを進められなかった。

せめて幕を閉じた翌日に書けばいいのに、と私が読者なら思う。
が、躊躇してしまった。
その理由も含め、第93回都市対抗野球一次(南九州)予選での鹿児島ドリームウェーブのことを書いてみようと思う。

戦績

まず今回の戦績。
勝ち上がり表は以下の通りだ。

第一代表トーナメント
敗者復活による第二代表トーナメント

都市対抗の一次予選は、今季初の公式戦となることが通例。
だから、新加入選手や監督首脳陣の交代によって体制が変わればそれがもろに出るんじゃないかと思う。

ドリームウェーブの初戦は、宮崎福祉医療カレッジと対戦。
取りつ取られつのシーソーゲームで、延長10回タイブレークの結果、19-18で勝利した。3時間41分の熱戦だった。

翌日の第一代表決定戦は、宮崎梅田学園と。
地力に勝る梅田学園相手に善戦したが、惜敗。第一代表は逃す。

中一日空けて、敗者復活戦を勝ち上がってきた宮崎福祉医療カレッジと再戦。いい試合だったと思うが、あと一本が出ず敗退した。

イレギュラー

この大会のドリームウェーブは、イレギュラーな状態だった。

この3年チームを率いていた有川監督が不在。
休養とお聞きしたが、詳しいことをお尋ねすることははばかられた。それぞれに事情はあろう…というのでは、ライターとしては失格なのかもしれないけれど。

指揮を執ったのは、有川監督の下でコーチをしていた柳監督代行。
コーチすら不在。代行とはいえこの数か月は”監督”であったわけで。そして一人での初采配に、戸惑うこと迷うことは山ほどあったろうと思う。

選手たちにとっても、確固たる”監督”が不在なのは、一抹の寂しさのようなものを感じるのではないか。
向かう先は都市対抗本戦出場であり、クラブ日本一であることに変わりはないのだけれど、それを力強くまとめてくれる人が一人いると、プレーに専念できるというものだ。

もう一つ、主将が代わった。
昨年まで3年間主将を務めていた種田康太朗選手の退団により、今期から下池敦士選手が主将となった。
こちらもまた主将として迎えた初の大会に、初戦は動きの堅さが見られた気がする。

そんなイレギュラーな状況で迎えた都市対抗一次予選だった。
この記事を書くか書かないか躊躇してしまった理由はこれだ。
でも、もしも自分がいち読者だったとしたら…大会の結果は知りたいよなと思ったので、書くことにしました。

吉報

一抹の寂しさのようなものを感じる今大会の中で、躍動していた選手もいた。
今年新加入の選手たちだ。

彼らにとっては、今のドリームウェーブがデフォルト。そこに不安や寂しさはなく、ここで力を尽くすのみ。そんな想いが見て取れた。

結果的にレギュラーの座を奪われた選手もいるわけだが、それにくさることなくむしろ前向きに「このチームが好きだから」とバックアップに勤めてくれていたそうだ。その姿勢にこちらも清々しい気持ちになった。

新マネージャー兼務の小園健斗選手の働きで、インスタグラムに選手たちの生き生きとした声や表情が投稿されるようになったことも面白い。

フラットな野球ファンの視点で

私は都市対抗一次予選の4日間、本部席で場内アナウンスとして試合を見ていた。
こうしてドリームウェーブファンとして記事を書くライターでもあるわけだが、場内アナウンスのときにその事情を持ち込むことはない。そもそも場内アナウンスのほうが先にあったからかもしれないが、ただただフラットに試合進行のサポートをするのみ。

そのフラットな視点から見ていて感じたこともまたいくつかあった。
ここからは、野球のルールは知っているけれども戦術や戦略、選手の評価などは一切できない、ただの野球好きの一視点として書きます。

宮崎梅田学園は、格上と認めざるを得ない。
ココというところでヒットを打てる。なにもできずに三者凡退がほぼない。無駄な攻撃をしない。
練習時間の長さもあると思うが、その結果勝利して他地方のJABA大会に招待され、より経験値を積んで強くなる。よきループが出来上がっている。

初の二次予選進出を決めた宮崎福祉医療カレッジは、今大会躍動していた。
まだ19歳20歳の学生。高校野球に近い若いチームは、乗れば突き抜ける。
とにかくよく走る!常に次の塁を狙ってくる。その結果アウトになることもあったけれど、守備の乱れを誘うこともあった。
うーん、最初の試合では辛勝したものの、乗せてしまったのはドリームウェーブだったような気もする。
ノっちゃったら、ダブルヘッダーや連戦の疲れも感じないのがこの世代の怖さだ。
見ていて明るい気持ちになるチームだった。

薩摩ライジングは、ドリームウェーブと対照的だと感じる。
伸び伸びと自由なプレーをするチーム。緻密ではないけれど、一気に勢いに乗ることができる気がする。
これまでもそうだったけれど、より一層コントラストが強くなったような。
今後ドリームウェーブとライジングが、一時期の鹿実‐樟南のような関係になれば面白いなと思った。

昨年結成し今回初の公式戦を迎えた新海屋は、まだまだ選手の人数が足りない。個々の打力走力はありそうだけれど、打線になっているかというと疑問。だって初試合だし。
でも、この時代にチームを立ち上げて参戦してきた企業チーム。今後急速に力をつけてくることが予想されるなぁ。こわ!

今季の鹿児島ドリームウェーブ

休養中の有川監督が戻って来られるのかどうなのか。
いずれにせよ、不動の監督がいらしてこそチームとしての推進力が増すし、勝ちへの一歩が強く出るだろう。

今回は、イレギュラーな状態だったのにいい試合をした。3時間41分の試合はどうかと思うが、ここまでしても勝ちをもぎ取ったのは、私は「頑張ったよね!よかったね!」と大きな声で笑いたい。
でも、これで今季の都市対抗本戦への道は断たれたわけで。
ぺこぱのように時を戻せればいいけれど、そうはいかない。
次は、6月に全日本クラブ選手権予選が宮崎で開催される。その後につながる結果を期待しています。

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