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広報だより~2023年シーズンを振り返って①戦績

2023年12月24日、姶良球場にて今年最後の練習が選手全員参加で行われ、チームは冬期休暇に入った。
球団広報としても関わる私の非常に個人的な視点から、2023年シーズンを振り返ってみたい。

3話に渡るとても長い文章になってしまいましたが、よろしければお付き合いください。

2023年度の戦績

今年の戦績は、12試合8勝4敗、勝率6割6分7厘。
内訳は以下のとおり。

【第94回都市対抗野球大会一次(南九州)予選】
4/22(土)~4/23(日)
  ★0-7(7回コールド) vs新海屋
  ☆15-0(7回コールド) vs薩摩ライジング
  ★7-8 vs宮崎福祉医療カレッジ
※一次予選敗退

【第47回全日本クラブ野球選手権大会一次(南九州)予選】
6/24(土)~6/26(月)
  ☆10-0(6回コールド)vs薩摩ライジング
  ★1-6 vs宮崎福祉医療カレッジ
  ☆8-4 vs薩摩ライジング
※第二代表として二次予選進出

【第47回全日本クラブ野球選手権大会二次(九州)予選】
8/5(土)
★7-9 vsビッグ開発ベースボールクラブ
※二次予選敗退

【第18回九州クラブ野球選手権大会予選】
9/9(土)
  ☆9-3 vs薩摩ライジング
  ☆13-0(5回コールド) vs宮崎福祉医療カレッジ
※第一代表として本選進出

【第18回九州クラブ野球選手権大会】
 10/7(土)~10/9(月)
  ☆10-3 vsてるクリニック
  ☆2-1 vs嘉麻市バーニングヒーローズ
  ☆1-0 vsシンバネットワークアーマンズベースボールクラブ
※優勝

新体制のもと、例年以上に厳しい冬のトレーニングを経て迎えた都市対抗予選は思うような結果が出ず。
その後の全日本クラブ一次予選も、かろうじて第二代表をとった印象だった。

手応えを感じたのは、8月の全日本クラブ二次予選。初戦敗退ではあったが、九州制覇したビッグ開発に一歩も引かない粘りを見せた。
その勢いに乗って、九州クラブは優勝まで駆け上がる。
圧倒的な強さではなく、なんなら試合内容としては準決勝で負けていても不思議ではなかったが、こちらも粘りで優勝を勝ち取ったと言える。

榎並選手のサヨナラホームランで優勝を決めた瞬間

新体制でのシーズンイン

2023年、まず特筆すべきは新体制でのスタートだということだ。

2022年9月に、戸嶋博監督、冨重忠広コーチのもと動き出したチーム。
とはいえ戸嶋監督は当時まだ北九州在住だったため、週末だけの指導であり、平日は冨重コーチが一手に引き受けてくださっていた。

さらに急な体制の変化の影響もあってか退団の多かった2022シーズンを経て、今季は20人というギリギリの人数で戦っていかねばならない。

加えて今季は2月から『薩摩おいどんカップ』という大学・社会人・プロの交流大会が初開催となった。
例年ならばトレーニングしつつOP戦で調整していく時期に、公式戦ではないにせよ大きな試合がいくつも組まれた。WBC中国代表、JFE東日本、福岡大学、福岡ソフトバンクホークス。

写真は7月のタマホームスタジアムでのソフトバンクホークス戦

強い相手に選手たちの士気は上がったが、調整しながらというわけにもいかず怪我の頻度も上がった気がする。
ただこの状況で、勝たないまでもそれなりの試合をできたことは、自信にもつながった。

第94回都市対抗野球大会南九州予選

今季最初の公式戦は、第94回都市対抗野球大会一次(南九州)予選。
かなり厳しい冬のトレーニングを超えてきた選手たちだが、思うような結果は出なかった。
打線は悪くなかったものの、投手陣の乱れが目に付いた。試合を作れず、逆に崩してしまう。

第二代表トーナメントで敗退したあとのミーティング時、悔しさで目を真っ赤にしている選手もいた。
私自身が現チームに関わってまだ2年目なのだが、あの表情は初めて見た。
きっとこの先も、あの真っ赤な目は忘れないだろう。

一次予選敗退が決定したあとのミーティング。全員が厳しい表情。

第47回全日本クラブ野球選手権大会一次(南九州)予選

ドリームウェーブが常に目標に掲げている『全日本クラブ選手権優勝』。
これを果たすには、まずこの一次予選を勝ち抜かねばならない。

会場であった日置市湯之元球場には、支援企業の皆さまが応援に駆けつけてくださった。熱い声援のおかげさまもあり、第一代表こそ逃したが第二代表として二次予選に進出を決めた。
ただ、都市対抗予選でも全日本クラブ予選でも、前年の泥仕合からなんだか”宿敵”化してしまっている宮崎福祉医療カレッジには勝てずにいた。

第47回全日本クラブ野球選手権大会二次(九州)予選

地元鹿児島のメインスタジアム、平和リース球場で開催された全日本クラブ二次予選。
一次予選を勝ち抜いてのこの試合は、さらに多くの支援企業の皆さまが応援に集まってくださった。

対戦相手は沖縄のビッグ開発ベースボールクラブ。
ちょっと前まであんなに諦めのよかった(?)ドリームウェーブが一歩も引かず、ヒット数は相手を上回る16本。しかし12残塁が響いて7-9と惜敗した。
その後ビッグ開発は危なげなく勝ち抜き、全国でもベスト8入りを果たした。

振り返ると、優勝したビッグ開発をいちばん苦しめたのは我らがドリームウェーブであったわけだが、それは結果論。

しかし選手たちはこのころから「戦えるじゃないか」「もっと勝てるんじゃないか」と少しずつ自信を強めていたのではないか。
これは完全に私の感覚だが、彼らの瞳の輝きは、日に日に強くなっていった。

監督常駐

8月の全日本クラブ選手権二次予選が終わって大きく変わったことがある。
それは、戸嶋監督がすべてを投げうって移住してきてくださったこと。

この夏で定年退職となり、住み慣れた北九州にご家族を置いて、単身鹿児島に乗りこんでこられたのだ。

御年65歳での決断、挑戦。
ほぼ見知らぬ土地での初めての一人暮らしに戸惑うことも多いだろう。
私自身も選手より監督のほうが年齢が近いためもあり、その勇気と決断にときおり震える思いがするほどだ。

当然だが平日の練習が変わった。
冨重コーチも厳しい方だが、戸嶋監督はなんせ”監督”。強い船頭が毎日立ち会うことで、どこか緩みがちだった日常の練習が引き締まったものになった。

第18回九州クラブ野球選手権大会予選

9月の九州クラブ選手権は、3チーム中2チームが本選進出。
これは落とすはずがないと思っていたが、その気持ちは平常心を奪った。
余裕を持っていた相手に意外な苦戦。

ただ、それよりも大切な勝利があった。

前年4月の都市対抗一次予選で19-18という泥仕合を展開してから”宿敵”感のあった宮崎福祉医療カレッジ。
実は今季もここまで2回対戦して2敗している。

しかしそんなに勝てない相手かなぁ?と昨年も思っていたが、今季はもっと思っていた。
いや、いいチームだけれど、もっと落ち着いて迎え撃てるはずなのだ。

そのチームに、この九州クラブ予選では13-0と5回コールド勝ち。
打線は火を噴き15安打、投げては2年目の田中辰憲投手が5回を2安打完封の好投で完全勝利だった。

もう”宿敵”ではないと思っていたが、名実ともにそれが証明された。

第18回九州クラブ野球選手権本選

大分で開催された九州クラブ本選、私は仕事のため帯同できなかった。

しかし前日練習に行き、彼らの雰囲気の良さを目の当たりにしていた。
緩んではいない。はしゃいでもいない。
しかし明るい。

「なんか雰囲気いいよね」と話しかけるも、選手たち自身は自覚はなかった。「そうですか?いつもこんな感じですよ」。
でも、違った。私にはわかる。

私の目に狂いはなかったようで、初戦てるクリニック戦は10-3と快勝。
準決勝、決勝は非常に厳しい試合だったが2試合とも1点差で勝ち抜き見事優勝を果たした!

優勝の記念撮影

とはいえ試合内容を振り返ると、勝った試合には感じられない。
準決勝、決勝ともに安打数で劣っているし、決勝に至ってはたったの2安打だ。

それでも、それまで1安打しか出ていなかった9回ウラ2アウトから諦めることなくホームランで勝利を掴むあたり、粘り強くなったなぁと感慨深かった。

かえすがえすも、そばで見ていたかった!!!
それだけが悔しくてたまらない!
来年こそは、この目でその歓喜の瞬間を見てみたい。

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