見出し画像

29.準優勝。俺たち、イケるぞ!?

九州代表

優勝候補筆頭であった新日鐵大分クラブを破り、薩摩との鹿児島対決を制して掴んだ九州ベスト4。
発足からまだ3年の鹿児島ホワイトウェーブは、意気揚々と愛媛県松山市坊っちゃんスタジアムに乗り込んだ。九州代表として第三回西日本クラブカップ野球大会に出場するためだ。

西日本クラブカップ大会は、近畿、中国、四国、九州から代表各2チームずつ、合計8チームで行われる。

オレたち、イケるぞ!

初戦の相手は四国代表の徳島野球俱楽部。
再結成されてからもすでに半世紀以上たっているという歴史あるチーム相手に、8回コールド10-0で初戦突破。

翌日は近畿代表の全大津野球団。
過去には全日本クラブ選手権でベスト4(Wikipedia参照)にもなったチームだが、8-2で快勝し決勝進出。

決勝は、準決勝と同じ日に行われるダブルヘッダー。
これは社会人ではよくある話だが、まさに選手層の厚さが問われるところ。

決勝の相手は、近畿代表阪神ベースボールクラブ。
8回に同点に追いつき、延長10回タイブレークの末1-5で敗れ準優勝。惜しい!!

この大会、MVPこそ優勝チームに譲ったが、敢闘賞はエース竹山さん、首位打者賞はショート七牟礼慎さん。11打数6安打という好成績だった。

『西日本クラブカップ準優勝』という輝かしい成績。
「オレたち、イケるぞ!」
このことは、地道な練習に少し辟易していたであろう選手たちのモチベーションを再び上げるのには十分だった。

え、勘違い?

ただ、野球のわかる方からの冷静な意見をお聞きすると…
「まぁ、勘違いだよね」。

この『西日本クラブカップ野球大会』は、全日本クラブ野球選手権の予選で次点になった、つまり本戦を逃したチームが出場する大会だ。あぁややこしい。
だからか、球団代表も対戦相手を聞いて「どこそれ?」と思ったそうだ。
各地方の代表が集まるから、強豪ひしめく大会だと思いこんでいたし、そうでないとおかしいとも思っていただろう。

でも実は、そうでもなかった…のかもしれない。
「なんのために作った大会だったのかね?」と代表が呟いたとおり、このあと数回で大会そのものが打ち切りとなった。いやいや、ちょっと待ってよ。なんかすごく残念なんですけど!
大会が続いていれば、そのたびに歴史を紐解かれ『鹿児島ホワイトウェーブ』の名が語られることもあったんじゃないかと思うと、なんだかモヤモヤする。

とはいえ、走り出したばかりの鹿児島ホワイトウェーブにとって大きな自信になったことには違いない。

オレたち、イケるぞ!
たとえ勘違いだったとしても、ちょっぴり歳を重ねた野球少年たちは、喜びに顔を輝かせていたはずだ。

勘違い、おおいに結構。
それがいい方向に働くのなら。それで風を呼べるのなら。

よろしければサポートお願いいたします。 いただいた資金は、取材などの活動費に使わせていただきます♪