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25.社会人野球2大大会

「鹿児島県代表として、都市対抗野球に出よう!」
鹿児島ホワイトウェーブが正式に発足したときからの大きな目標だ。

実はこの『都市対抗野球大会』はじめ社会人野球の大きな大会を、誰よりも私自身がよくわかっていなかった。
どうにも情報が少なく、個々の大会の個性が分からない。だから、どこかでチームの目指すところに共感ができていないような気がしていた。

というわけで、今回はこの都市対抗野球大会をはじめとする社会人野球の主たる大会のお話をさせていただこうと思う。
ちょっと複雑なのですが、おつきあい願います。

3つの全国大会

社会人野球の主な大会、つまり日本野球連盟主催の大会は以下の三つ。

『都市対抗野球大会』(以下『都市対抗』)、
『社会人野球日本選手権』(以下『日本選手権』)、
『全日本クラブ野球選手権大会』(以下『クラブ選手権』)。

全日本クラブ野球選手権はクラブチームのみが出場権を持つので、全チームで日本一を争うのは都市対抗野球と日本選手権。

これが、社会人野球2大大会だ。

※クラブチームと企業チームの違いについては以下の記事参照。

都市対抗野球大会

都市対抗は、ネームバリューとしては高校野球で言うところの『夏の甲子園』。現在第92回を数え、歴史もある。

つまり、社会人野球においてなにより華やかで知名度も高い。
社会人野球チームならば、その本大会出場を目指し、「できることなら頂点を」と夢馳せる場所。

夏の甲子園と同じく各県から1チームずつ出場するんだろう。深く考えもせず私はそう思っていた。発足当初のホワイトウェーブの選手たちの多くも同じだったようだ。

ところがそれは全くの勘違い。

全国各地で一次、二次と予選が行われ、本戦出場は32チームに絞られる(年によって若干の変動あり)。

鹿児島ホワイトウェーブの属する九州地区では2008年、6か所でそれぞれ一次予選が開催され、勝ち上がった12チームでさらに二次予選が行われた。

最終的に九州から2チームだけが、東京ドームで開催される都市対抗野球大会本戦に出場となる。


ちょっとおもしろいのが、都市対抗の独自ルール。

代表権を得たチームは、その地区で敗退したチームから”補強選手”というのを3名まで借りてくることができるんだそうだ。

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社会人野球日本選手権

一方で2021年現在で第46回となるのが、日本選手権。
高校野球で言うところの、春のセンバツに近いといえばそうかもしれない。

センバツがそうであるように、日本選手権は本戦への出場権を獲得するためのシステムが少々(かなり?)分かりづらい。

地方での予選はもちろんある。
さらにクラブ選手権で優勝したチーム、各地区連盟主催の選抜大会を勝ち抜いたチーム、都市対抗の優勝チームが出場権を得る。

都市対抗が『補強選手』制度を導入しているのに対し、日本選手権は純粋にそのチームの選手たちだけでの試合。

都市対抗優勝チームを交えてのトーナメントは、本当の意味での社会人野球日本一を決めるといわれている。

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ちなみにこの図は私自身が理解するために、かなり時間をかけて書いたもの^^;
合ってるのか若干不安でもあるが。

もう一つの大会

クラブ選手権は、当時の鹿児島ホワイトウェーブのようなクラブチームだけで開催される大会だ。

こちらは資料によると2008年当時、一次予選がなく二次予選のみという地方もあったようだ。
本戦は約16チームで争われる。


社会人野球の構図として、やはり企業チームの強さは別格。
ということで、同じ条件であるクラブチームのみの大会が行われることになったのかもしれないが、どうなんだろう。

クラブチームの選択

とまぁこれだけ書くと、ふーんなるほど、という感じなのだけれども…

2010年以降、鹿児島ホワイトウェーブのようなクラブチームは、日本選手権とクラブ選手権、どちらか片方の予選にしか出られなくなった。

企業チームがしのぎを削る日本選手権の予選に、ホワイトウェーブのような出来立てホヤホヤのチームが参戦しても…ということなのか?

よくよく知れば大差はないのだけれど、なんかちょっとモヤっとしてしまった。

似て非なるもの

私は30年以上も野球に関わっているが、そのほとんどが高校野球。

そしてたぶん、この高校野球界の知識が余計な先入観になって、社会人野球の世界を理解するのに倍の時間がかかったように感じる。
きっと、同じような方もたくさんいらっしゃるのではないかな。

知れば知るほど、高校野球と社会人野球は別のものだ。

2008年には、23年ぶりに鹿児島県野球連盟主催で都市対抗野球の一次予選を開催することになる。

その重さが、少しでも伝われば嬉しいです。





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