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訪問看護師になりました。

2022年4月、私は訪問看護師になりました。
それまでは、急性期風の病棟で働いてまいりましたが、引っ越しを機に一念発起して訪問看護師になることにしました。

今回は、訪問看護師をめざした背景について振り返っておきたいと思います。
元々自分が看護師になるなんて夢にも思っていなかった20代前半。
一方で将来何になるかも全く考えていなかった20代前半。
彼女の勧めで、看護学校の門をたたきました。
毎日真面目に学校に通って晴れて看護師になりました。思えば看護学校の3年間は社会復帰プログラムでした(大学で退廃的に暮らしていたので)。

看護師になって働き始めた頃からずっと思っていた違和感は、身体抑制でした。治療のためとはいえ、人が縛られたり、縛ったりするのは嫌なものでした。もちろん、治療の安全上どうしても必要なケースはありますが、それはそれなりのプロセスを経て倫理的に必要性を検討する必要があります。
しかしながら、実際にしばしば身体抑制の候補となったのは、認知症やせん妄症状が強い高齢者だったように思います。しかも、理由としては転倒予防や末梢点滴の自己抜去予防ということが多かったです。それはそれで起きるのは良くないことなのは当然ですが、あまりに自動的に抑制が始まる様子は良いものとは思えませんでした。

あるとき老人看護専門看護師になった先輩が病院に戻ってこられ、せん妄に対するアプローチや、高齢者の不眠に対する薬剤対応などについて助言をくれるようになりました。この先輩との出会いは感動的でした。なるほど、ちゃんとした対応ができれば、抑制をしなくても安全に過ごせる環境をつくれるんだと思えました。

そんなこんなで、この問題意識は私のなかでくすぶり続け、気づいたら認知症看護認定看護師になっていました。主に急性期のせん妄や認知症高齢者へのケアを実践するためです。こうして、5年くらい病棟で認知症看護の普及と実践をしてきましたが、自分の中に退院支援の視点が不足していることに悶々としていました。
医療の発達により、急性期の治療は比較的うまくいくものの、その後なかなか退院できない方がいます。「認知症があるから家はもう無理よ」「施設探して」と言われても、そう簡単に見つかるわけではありません。家が”ごみ屋敷”のようになっているという方もいます。「家に帰りたい」という希望があるにもかかわらず、退院を機に施設入所になる方もたくさんいらっしゃいます。それは、ある意味で仕方のない側面もありますし、入院というひとつのきっかけとなって、生活環境を変えるというのは必要なこともあります。

とはいえ、自分はあまりにも地域資源のことがわからない。わからないのにえらそーに退院支援のまねごとをしているという感覚は年々強くなっていきました。

そうした背景もあって(上に書いたことが全部ではないですが)、転職を機に訪問看護に挑戦することとなったわけです。

実際に訪問看護を始めてみてどう思ったかはまた次回書こうと思います。

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