【親友回顧録】幸運なり我が人生
第一章「出会い」
北の地の、温泉街。合宿の会計係であったわたしを、会場の入り口で出迎えてくれたのが最初だった。髪は長く、長身で、わたしと同じような円いメガネをかけた大学生、ジヨン。
その夜は合宿に参加する多くの大学生が、入れ替わり立ち替わり大浴場へ。
「日本ではそうするものだと思ってた」と、後になって頬を赤らめたジヨンもその時は堂々とみんなと一緒にかけ流しの温泉を堪能した。文字通りの裸の付き合いから、わたしたちの縁は始まったのだ。
ジヨンと話をするのはドイツ語だった。お互