見出し画像

Sour Bicycle のXCバイク "Pasta Party" を旅バイク仕様にモンスタークロス化した件

Sour Bicycle "Pasta Party" のモンスタークロス化。
完成形(After)がコチラ。

Sour Bicycleから”Solid Rig"とSNS通じてコメントありました。嬉しい。

元々、ハードテイルMTBとして組んだバイクを、アドベンチャーツーリング寄りな29erモンスタークロス(ドロップハンドルMTB)にカスタム。

◾️当初仕様(Before)

ハードテールMTBとして2021年末に組み上げた。(もちろん自転車屋さんに)
SourのXCバイク”Pasta Party”をトレイルツーリングもダウンヒルもこなせるMTBとして組んでもらった。

2.4インチのブロックタイヤに、140mmのサスペンションフォーク、フラットバーにドロッパーポストと、当初意図した感じにかっこよく組めて気に入っていた。

2020-2021年当時、コロナ由来のパーツ供給難で10ヶ月くらいかかった。

トレイルライド(主としてダウンヒルコース)も初級コースに2−3度行って何の不満もなかった。
しかし、車を持たない僕達はそれ以来、トレイルにほとんど足が伸びなかった。

やや荒れた「つくばグラベル」にMTBで挑んだことがあった。下りの安心感は抜群なのだが、それ以外が不快なレベル。。。素敵なルートなのだが、MTBでは楽しみきれない。アクセスのロードライドがしんど過ぎた。平地やロードに適した設計じゃないので遅々として進まないことと、ポジションも中距離以上のライドには向かない。

さらに痛感したのは折角組んだMTBに乗ろうと、スマイルバイクパークや幕張MTBコースに行った時、辿り着いたコースをグルグルすること自体が楽しくないのだ。。。やりたいのはコレじゃない。。。ってことに今更気づく。。。

カッコいいのは間違いないのだ。がしかし、ライドスタイルがこれではなかっただけ。

一方で、ニセコグラベルには手持ちのSurlyのPacerを最大限グラベル仕様にカスタムし、履ける最大幅の32Cタイヤを履いて臨んだ。ロードは快適なのだが、キャリパーブレーキということも影響してグラベルの安定感は足りず、特に下りでコントロールが効かなく怖かった思い出がある。ニセコグラベルを快適にライドできる仕様ってのが今欲しい自転車なんだろうなと。

改めて、僕達はトレイルやグラベルを絡めた自転車旅がしたかったことに気づく。
それは従来然としたMTBの乗り方(ダウンヒルやMTBコース)をしたい訳ではなく、トレイルや林道(時にロード)を繋ぐ自走の旅がしたいのだ。
必然的にそれは「グラベルライド」と呼ばれるルートとなる場合が日本では殆どだ。

乗りたいスタイルと今の組み方のミスマッチが明確になった今、
「よし、Sour をグラベルツーリングバイクにカスタムしよう。」となる。

◾️カスタムの意図

元々はXC寄りの走りにも対応したMTB。グラベルバイクのきびきびした推進力は期待できないけど、安心感と踏破性を持つ「アドベンチャーツーリングバイク」へのカスタムは手持ちの自転車のラインナップを考慮しても最適と判断した。きっと「お気に入りの愛車」への乗車頻度も高くなるだろう。

◾️「アドベンチャーツーリング仕様」のポイント

「グラベル/ロードMIXの旅に、グラベルで圧倒的な安心感のあるバイク」
輪行前提で駅からグラベルまでのロードの自走も容易で、グラベルをからめた100km /日のアドベンチャーツーリングが可能であることが大事。

ニセコグラベルみたいなルートを旅できるバイク。いいでしょ。

以下、カスタムのポイント。

①ロングライドに適した前傾可能なポジション
②リジッドフォーク化による軽量化と推進力
③ロードでも転がるグラベルタイヤ

これに元々のドロッパーポスト装備とすれば、下り最強のモンスタークロスになる。でしょ?

◾️ハンドル周り

当初はドロップハンドル化も視野に入れたが、高コストになることを認識。
ブレーキレバーやシフターをそのまま転用できるSurlyのCorner Barが最適と判断。同時に前傾のポジションを保つためにステム(THOMSON XT4)を40mm長くした。

Surly ”Corner Ber”は前傾ポジションが保てるのに加え、持てる場所も多く、ロングライド時のポジションチェンジにも有効。
思いのほかグラベルやトレイルで「押さえが効く」ので不整地での安定感はマシマシだ。

バーテープはBROOKSのCanbium ラバーを採用。素手でのグリップ感も抜群。

Surly Corner Barは、バーテープ2重巻き。下りのグリップにも安心感がある。
THOMSONの6mm→10mmに。新旧組み合わせてフェース部分だけシルバーで重くならないように。


◾️フロントフォーク

少しでも軽くキビキビしたバイクにしたくて、2020年のパーツ難の当時に必死で入手したROCK SHOCKSのPIKEを、ENVEのカーボンフォークに変える決断。

後悔ないようにハイエンドを選ぶ。こんな高いパーツ選んだことに後悔するかも。いや正直してる。

とにかく高価なパーツを買っては、定価の3割以下で手放し、また高価なパーツを揃える無駄感は半端ない。ここの決断には多少時間かかった。高いんだもん。でもこのチャリ(Sour)にもっと乗るためにはその判断が必要だった。

◾️タイヤと足回り

転がりの良いグラベルタイヤ。XCバイクらしいバランスを保つ太めのシルエット。2.2インチのTERAVEIL ”SPARWOOD”をチョイス。

ブロックタイヤとは隔世の感。ロードでも十分に転がってくれる。

唯一、現 SLXのチェーンリング(30t)がロードRIDEには不足感が否めない。34t程度に交換したいが最適解が見つかっていない。

フロント30t × リア12s(10-51t)

◾️モンスタークロスと時代の空気感、来てんじゃない?

同時期に憧れのBlue Lugで、Black Mountain Cyclesという、アドベンチャーツーリング寄りなモンスタークロススタイルのチャリが提案され始めていて、「これでいいんじゃない?」って思えたことと、「ちょっと先鋭的な感じ?」って気持ち良くなったのも後押ししました。

”La Cabra”とかめっちゃカッコいい。

https://bluelug.com/contents/black-mountain-cycles/la-cabra.php

あ、偶然に嬉しくなった話です。

◾️失敗と気づきと伝えたいこと

MTB欲しいって思うタイミングってあると思う。

でも、「ふじてん」や「富士見」のスキー場のサマーシーズンのダウンヒルにマイカーで行ける人たち以外には向かないかもしれない。
MTBのローカルトレイル/コースを自走で登るのはマジきつくて1日に2本くらいしか乗れない。もちろんマイカー必須。そこに合致しているかを慎重に吟味してほしい。

漕いで気持ちいい自転車旅がしたければ、サスペンションとかブロックタイヤは不要と思う。フラットバーよりもドロハンをお勧めする。太めのタイヤを履けるグラベルバイクで十分かもしれない。いや、1台だけ持つとしたらSurly ”Midnight Special”(と近しい仕様)の1択にしたい。

あ、あとは個人的好みですが、クロモリの方が古さを感じさせないし、カスタムによる余地が残されているので、迷ったらクロモリ派です。(結果論ではない)

◾️余談

ちなみにエミさんのSOMA ”Riff”も同様のカスタムを実施。
ゆえに、より一層の財政難に陥っている訳です。

Before

これはこれでカッコいいんだよ。

After

なかなか見かけない感じがいい。でしょ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?