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#58【心】「無敵の人」を生み出さないために①

新年一発目、映画『JOKER』を観た。
日本人として、教育者として、
この映画をただの「アメリカホラー映画」にしてはいけないと感じた。
日本には、見えない多くの「JOKER」がいる。
正解はないけど、思ったことを書いてみたい。

最初に
・犯罪は許されない
・人の命を奪う行為は許されない
・第一には遺族に寄り添うべき
という前提は絶対。

そのうえで
「どうしたらこの手の犯罪者を生み出さないか」
にフォーカスして考えたい。

『JOKER』のあらすじ


主人公は優しい男。
見た目は40~50代に見えるが、貧困による明らかな栄養失調、不衛生のため、
実際にはもう少し若い設定かもしれない。
さらに彼は緊張すると笑ってしまうという病気を抱えている。
母の介護をしながら、コメディアンを夢見てポジティブに生きようとする。
しかし、不条理な社会の構図や嫌がらせ行為が彼の身に降りかかり、
ふとしたことから地下鉄内で男3人を射殺する。
尊敬していたコメディアンがこの男3人を擁護したことによりスイッチが入り、
彼はさらに殺人を重ねる。
最後には生放送内で件のコメディアンを射殺した。


率直な感想

この映画には、いくつかプロットやフレームの工夫がなされているけど
とりあえずそこは割愛する。

この映画を観たときに、人々はどんな感想を抱くのだろうか。
僕はこう思った。
「気持ちいい」と。

勿論殺人を肯定しているとか、模倣予告をしているわけではない。
でも、こういう感情になることはないでもない。
主人公の彼は、「たまたま」地下鉄で3人を射殺したことで「無敵状態」になった。
僕は、「たまたま」なっていない。
そんな気もしてしまう。

多かれ少なかれ、「不条理」にぶつかったとき、そしてそれが繰り返されたときには
こういう感情になってしまうのではないか。

「殺人はダメ」とか、
「迷惑を考えろ」とか、
そういう綺麗ごとはいったん抜きにして、
人の根源的な「心」に深堀りして、丁寧に考えてみたい。


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