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高い技術と信頼を兼ね備えたカナダのドローンスタートアップ「Aeryon」

Aeryon(エリヨン)社はカナダ・オンタリオ州に社を構えるベンチャー企業であり、垂直離着陸型の小型無人航空機Aeryon Scout(エリヨン・スカウト)の開発・設計を行っています。Aeryon社は、最先端の制御システムやデジタル画像処理等の専門技術を駆使しながら、製品の開発を進めています。今回は、このAeryon社が開発を進めている製品や展開しているサービスについて紹介をしていきたいと思います。


目次

・Aeryon社とは

・Aeryon SkyRanger

・Aeryon Scout

・商用利用

・パブリックセーフティ

・軍事利用

・ペイロード

・Ikea ISR

・MissionMonitor

Aeryon社とは

Aeryon社はカナダ・オンタリオ州に2007年に設立されたドローンメーカーです。同社はオンタリオ州のウォータールー大学を卒業したデイブ・クロウチ氏と、友人のマイク・ピースグッド氏、そしてステファン・リンドナー氏によってされ、商用ドローンメーカーとして世界をリードしています。製品としては、Aeryonスカイレンジャーや、垂直離着陸型の小型ドローンのAeryon Scout等があります。同社のドローンは主にホビー用としてではなく、プロ用として活用されています。例えばインフラ点検で同社のドローンを活用したり、カナダの警察の多くがAeryon社の導入を行っています。また、大規模な地震をはじめ、国連の災害支援でも同社のドローンが用いられて、東日本大震災が発生した直後、同社は、国連や米国国務省などの関係機関に、同社のドローンであるAeryon Scoutと人員の提供および捜査・救援活動の協力を申し出ました。また、公的機関のみならず、民間企業においても、同社のドローンは利用されています。2010年に、技術的不手際が原因でメキシコ湾原油流出事故を引き起こしたBP社が、将来の流出事故のリスク対策に、水面から油をすくう集油船のガイドとして活用する目的で、同社のドローンであるAeryon Scoutを二機購入しました。設立されてからまだ間もないですが、震災時に国連などの国家機関や民間企業と関わり合いながら、同社のドローンが用いられることから、高い技術と信頼を兼ね備えた会社であると言えます。


Aeryon SkyRanger

Aeryon SkyRangerは同社が販売しているドローンで、最先端・専門的技術と高い信頼性を兼ね備えていることから、様々な分野・場面で利用がなされています。価格はフルセットで1800万円と、一般的に流通しているドローンと比較して相当高額なことから、ホビー用としてではなく、まさにプロ用・商用ドローンであると言えます。同社もAeryon SkyRangerは、商用、パブリックセーフティーとしての利用、軍事目的としての利用に最適であるとしています。同機は過酷な環境下での稼働を特徴の1つとしており、−30℃〜50℃の気温、さらに最大瞬間風速25mの突風にも耐えることができる性能を持ち合わせています。赤外線・RGBの2画面表示を採用することによって夜間や暗闇での飛行にも対応できる設計となっております。飛行時間は約50分で、一般的なドローンの飛行時間が約20分ということから、飛行時間に置いても高い性能を持ち合わせております。また、操作はタブレットによるタッチスクリーンで、簡単にコントロールを行うことができます。完全自律飛行も可能となっており、様々な場面・環境に対応できる機体となっています。

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