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骨の歪み、ズレをボキっ!神経の圧迫を取る?

Youtubeのボキボキ動画後を絶たずにアップされていますね。
確かにボキっとされると心地よい方々は沢山います。

そのボキって何のために?なんで音がなって?何が起こっているの?
自分でボキってやるのと違うの?
色々疑問があるかと思います。

良く見聞きするのが、骨のズレをボキっと鳴らして歪みを治して神経の圧迫を取るから症状が良くなるという。
しかしながらその歪みが神経圧迫するという説はかなり前に否定されていて、本当に神経の圧迫があれば機能が低下するのではなく、神経のワーラー変性を起こし細胞死し、神経の機能喪失を引き起こすはずであると。

現在主流の見解は関節の可動制限が制限されることにより周囲の受容器からの正常な求心性刺激が失われ中枢神経系の機能的な統合が失われる。
という求心路遮断説というのが謳われています。(ただこれも確定されていません)

つまり関節の可動域が周囲の関節包や靭帯などの軟部組織によって制限されて、その組織の感覚受容器に対して伸張の刺激や振動、圧の刺激を加えているのが骨ボキが行っていることになるでしょう。

ですので
骨がズレている→ボキ→神経の圧迫が取れた!→スッキリした!
ではなく
関節の可動制限がある→ボキ→感覚インプットが入った→神経フィードバック→スッキリした!

という流れになりますでしょうか。

また面白い文献があって、

良く「ここが歪んでいるから〜が痛くて、この歪みを取ると治る」なんて言われるかもしれませんが、
特定の関節の部位に関節マニピュレーションをしても、不特定の部位に行っても結果が変わらなかったと。

これを考慮するとスッキリした感は可動制限が解除されたのに加えて求心路遮断の影響が大きい可能性はありますね。


またボキっという音ですが、滑液を含む滑膜性関節で滑膜内の内圧が上がった状態(関節可動制限が起こっている関節部位など)が
内圧から開放されてキャビテーションといって窒素などのガスが弾ける音などが主流となっている見解です。
骨自体が鳴っているわけではありません。

では骨自体が鳴っている訳ではないから安全であれば、自分で鳴らしても良いか?
これはNGです。
音が鳴るというのは結果なので、関節の制限があるところに伸張や振動などの刺激を加えなければなりません。
その制限がある関節部位というのは自身ではなかなか刺激を加えることができず、制限部位に刺激を加えず可動しやすい周囲の関節に対して伸張をしてキャビテーションを引き起こしているだけになります。
ですので、関節の受容器は伸びている状態で認識しているのに伸ばすので、必要のない刺激を加え音だけキャビテーションを起こして鳴らしているだけです。

むやみやたらの骨ボキはNG.
受けるならしっかりとライセンスをもった教育を受けた人間に。

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