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BAUHAUS『In The Flat Field』

バウハウスと言えばこれってくらい有名なジャケの1stです。
もうすでに何者も寄せ付けない漆黒の闇が広がっております。これがデビュー作とは信じられない貫禄、迷いのなさに背筋が凍ります。
真っ暗闇で刃物振り回すが如く壮絶なピーター・マーフィーのヴォイスパフォーマンスと、それと真っ向から対決するアッシュの尖りまくったギターサウンドが凄まじくとてもこの世のものとは思えません。テレキャスのピーキーな音色を最大限に活かし、キレの良さとイビツさを醸し出すカッティングから鮮血滴るかのようなノイズまで弾き出すアッシュのギターはもっと評価された方が良い。リズム感が素晴らしい。エフェクター(ベースにかけられたファズ/フィルター他)や各種楽器…Spy in the Cabにおける発信音のようなシンセドラムやNervesで激情を持って叩きつけられるピアノ演奏…を駆使したサウンドメイキングも素晴らしい。変な話ですがホラー度、怪奇度、ゴス度は彼らの作品中最も高いです。だがそこには所謂馴れ合い的な「はみ出し者」たちには到底奏でられない居合い抜きのような殺気が満ちていてそれこそが俺の心を燃やすんです。生きるか死ぬか、殺るか殺られるかの世界がここにある。
あとごめんなさい。僕の持ってるCDだと一曲目がボートラのシングル曲「Dark Entries」なんで、オリジナル盤は2~10曲目までです。あとはボーナスですがT-Rexのカヴァー「Telegram Sam」や、ピアノ弾き語りとギターのみの超名曲「Crowds」などマジで侮れない。刃物と詩を愛し、あてどなく夜の街を彷徨う男達の姿がここにある。

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