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成功するための普遍的な法則

先日、田坂広志先生の「風の便り」のメルマガで以下の内容が目に止まりました。

そのまま掲載させていただきます。

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我々は、人生において、誰もが「成功」を求め、しばしば、「成功の法則」や「成功の方程式」などの著書に目を奪われ、世の中には「普遍的な成功の方法」があると考えてしまいます。しかし、プロ野球の世界の一つのエピソードが、その危うさを教えてくれます。

成功するための普遍的な方法

かつて、プロ野球において、「安打製造機」の異名をとった打撃の名手、張本勲選手のところに、ある若手選手が相談に来ました。「張本さん、理想のバッティング・フォームについて、教えて頂きたいのですが」

この若手選手の質問に対して、張本選手は、こう答えました。「理想のバッティング・フォーム? もし、君がそれを知りたいのならば、一晩中、素振りをしなさい。」「一晩中、素振りをし続けて、疲れ果てたときに出てくるフォーム。それが、君にとって一番無理のない理想のフォームだよ。」

このエピソードは、大切なことを教えてくれます。我々は、いつも、成功するための普遍的な方法があると思い、その理想的な方法を、手軽に身につけたいと願うのです。

2001年11月29日

田坂広志

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田坂先生が紹介してくれたこのエピソードは、私たちの職業においても大切な指針を示してくれているのではないかと思います。セミナー活動で指導者の立場を長年経験していると、このエピソードの深い意味がよく分かります。

「急がば回れ」「苦労は買ってでもせよ」と昔から言われていますが、今時の若い人にいうと、煙たがられそうな言葉です。しかし、これは、経験や体験を積んで成功を経験した人だからこそ言える言葉で、相手の将来を考えての言葉ではないでしょうか?

学生時代、さまざまな技法を貪欲に学んでいた頃にこのエピソードを聞いてもピンとこなかったかもしれません。これは、一流の選手として努力を積み重ねて、多くの成績を残している人だからこそ言えることで、そのような経験がないとこのような本質を伝える言葉はでてこないのではないでしょうか。

このエピソードにもあるように、世間では手っ取り早い成功法などを手軽に求める風潮があるように感じます。しかし、本当の成功とは自らが経験、体験を通して掴むものであり、その多くは失敗や苦悩から学ぶということが重要だということを教えてくれていると思います。

セミナーでは、一見すると、手っ取り早い手法を教えているかのように思われがちですが、その背後には様々な経験や体験があります。教本やセミナーで学ぶことも大切ですが、何よりも実際の現場で、人や現実の課題に真剣に向き合いながら、成長していくという心構えが大切だと思います。

私自身も先人からさまざまな施術技法を学び、臨床現場で試行錯誤しながら、失敗を積み重ねて、「心身条件反射療法」という施術法を開発してきました。振り返ると、失敗や試行錯誤の連続でしたし、現在でも臨床現場で試行錯誤を繰り返して、さらなる「本質」を紡ぎ出しています。

また、治療院経営やセミナー運営に関しても、自らを成長させてくれのは、仕事現場であり、過去を振り返ると成功体験より失敗の積み重ねから成長が得られたと感じます。

多くの失敗や挫折の中から、試行錯誤を繰り返し、自らがコツを掴んでいくというのが本物に近づくコツであり、そこに辿り着くために、山あり谷ありの連続だということを覚悟することが大切なのだと私は思います。

さあ、次なる壁を乗り越える、その過程を楽しみましょう!


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