保井志之@米国公認ドクターオブカイロプラクティック

「なぜ、治るのか、治らないのか」にこだわり続け40年、臨床と全国レベルのセミナーを継続…

保井志之@米国公認ドクターオブカイロプラクティック

「なぜ、治るのか、治らないのか」にこだわり続け40年、臨床と全国レベルのセミナーを継続して23年。カイロプラクティックやコーチングなど様々な療法で皆様のお役に立てるように研鑽を積み重ねております。 過去ブログはhttps://yasuiyukinobu.blogspot.com

最近の記事

正しさの「矛と盾」

私たちはしばしば、自己の正義と他者の行動を測るための評価基準として「正しさ」という概念を用います。この追求が無意識のうちにどのように私たちの内なる感情や行動に「盾と矛」として影響を与え、時には自分自身や他人を傷つけることにつながるのかを探ります。例えば、「社会的な議論や家庭内での対立においても、私たちが持つ「正しさの矛」と「正しさの盾」はどのように作用しているのでしょうか? 「正しさ」の概念は日常生活の人間関係や社会的状況の中で多様な形で表れます。例えば、子どもの教育やしつ

    • 「自由」という「拘束」

      「自由」と聞くと、多くの人々がその言葉に寄せる期待と希望は計り知れないものがあります。一般的には、束縛や制約からの解放、選択の自由、行動の自由といったポジティブなイメージが先行します。しかし、私たちはしばしば見落としがちですが、この広く求められる価値は、実際には内面的な葛藤や不安、さらには予期せぬ心理的拘束を生み出す可能性があります。仕事や社会生活における「自由の追求」は、多くの場合、時間や行動に対する外部からの制約を指す一方で、その果てに得られる「自由」がもたらす内面的な挑

      • 自然治癒力と暗示効果のパワー

        スポーツの世界において、身体だけでなく心の力がいかに大きな影響を与えるか、多くの人々が驚くような事例がありました。大相撲春場所の千秋楽で、新入幕の24歳、尊富士が見せた驚異のパフォーマンスは、その最たる例です。平幕の豪ノ山を破り、13勝2敗の成績で初優勝を飾った尊富士。新入幕力士の優勝は110年ぶりの快挙となりましたが、この成功の背後には、単なる肉体の強さ以上のものがありました。 前日、尊富士は朝乃山戦で敗れ、右足首を負傷。歩行不能にまで至り、病院で治療を受ける事態に陥りま

        • 心の誤作動信号を読み解くPCRT

          PCRT(心身条件反射療法)の臨床実践では、現代医療が原因不明とする慢性症状に対し、無意識レベルの心の信号に焦点を当て、これらの症状の多くを改善してきました。慢性症状を引き起こす無意識レベルの誤作動信号に注意を払うことで、通常の医療では改善しないこれらの症状をどうして改善できるのかが理解できます。 これは、一般的に推奨されるストレス管理やポジティブ思考による意識改革とは根本的に異なります。PCRTでは、直接的な自己観察や自己療法を超えたアプローチが求められます。長年にわたる

          自己の存在、承認欲求、そして自由と責任の探求

          この文書では、人間が自己の「存在」と「承認欲求」とどのように向き合い、これらが自由と責任の感覚にどのように影響を与えるかについて探究します。多くの人々は、自己の「存在」を潜在的に重要視しています。自己の存在を謙虚に振る舞う人は多いものの、実際には、「良い人である」という存在をアピールしている場合が少なくありません。宮沢賢治が亡くなった後に発見された遺稿のメモには、「雨ニモマケズ」の詩が残されており、その終わりには「みんなにでくのぼうと呼ばれ、褒められもせず、苦にもされず、そう

          自己の存在、承認欲求、そして自由と責任の探求

          心理的要因と免疫反応がアレルギー症状に与える影響

          現代医療において、心理学と免疫学はしばしば別個の専門領域として扱われがちであり、これが統合的アプローチの発展を妨げています。この点において、アレルギー症状に限らず様々な慢性症状を根治的に改善させるためには、心と身体が切り離せないように、様々な事柄を「関係性」を通じて考えることが大切で、その「関係性」が慢性症状の根治への鍵になるのではないかと考えています。 アレルギー症状における心理的要因と免疫的要因の影響を理解するためには、その基本メカニズムの理解が不可欠です。アレルギー反

          心理的要因と免疫反応がアレルギー症状に与える影響

          「暗示」による花粉症

          「造花を見ただけで花粉症の症状が出る」というのは有名な話ですが、ご存知でしょうか? 「造花を見ただけで花粉症の症状が出る」という現象は、心理学的な反応や「条件付け」の一例としてしばしば引用されます。この現象は、特定の刺激(この場合は造花)が実際にはアレルゲンを含まないにも関わらず、アレルギー反応(花粉症の症状)を引き起こすというものです。これは心理的な要因や条件反射による身体反応の一種と考えられています。心理学の分野で広く知られるプラセボ効果や条件付けの理論、特にパブロフの

          「花粉症」の真の原因は何か?

          最近の風潮では、「花粉症」の原因は、花粉の「量」が原因だと思われる傾向があります。しかし、花粉症の有病率は1998年で16.2%、2008年で26.5%、2019年には38.8%と10年単位で約10%のアレルギー患者が増加しています。(出典:日本耳鼻咽喉科学会会報2020)では、花粉飛沫量が花粉症の有病率に伴って増えているかと言うと、実は増えていないのです。ニュースでは連日のように、花粉飛沫量の多さに注意を呼びかけているにもかかわらず、花粉飛沫量と花粉症の有病率との相関関係は

          生体エネルギー調整で「治る」メカニズム?

          「不思議だけれど治った!・・・」 これは当院でよく耳にする患者さんの治療後のコメントです。 なぜ、不思議に思うのでしょうか? それは、当院の治療が通常医療とは異なり、軽い振動刺激だけで調整を行うというのが大きな理由ではないかと思います。 通常医療では、注射をする、薬を処方する、あるいは骨折などの場合は手術をするというのが一般的です。それゆえに、注射、薬、手術などの治療行為で治るという考え方が主流だと思います。そのような考え方が前提にあると、当院のように身体への軽い振動刺

          生体エネルギー調整で「治る」メカニズム?

          不思議な治療が当たり前になる時

          ファミリーカイロで治療を受けていただいた患者さんは、最初の頃は、「不思議だけれど治った!」という感想を持たれている方が多いようです。それはなぜでしょうか?それは、通常医療とは異なる視点で、検査をして治療効果を出しているからです。さらに言えば、通常医療とは異なる「目」で診ているから、通常医療で改善されない症状が改善されるのです。 一般的には、科学的に証明されている西洋医学の情報が主流であり、目には見えない「気」というものを重視している東洋医学的療法には「神秘の世界」という印象

          健康的な習慣と思考パターンへの方向修正

          健康的な習慣と思考パターンへの方向修正 人が、思わぬ病気や症状、あるいは災難に遭遇した場合、多くの人はその原因を追求します。その追求の仕方には大きく分けて二つのタイプがあります。 1. 病気や症状は、他者や環境(外部からの影響)のせいで・・・(他者責任・外部原因) 2. 症状や病気は、自らの何か(内部からの影響)が創り出したもの・・・(自己責任・内部原因) さて、どちらのタイプの人たちが「治癒力」、あるいは「人生の豊かさ」を発揮できるでしょうか? 健康を保つ主導権は誰

          健康的な習慣と思考パターンへの方向修正

          患者中心のアプローチに「ICCコーチング」

          患者中心のアプローチに「ICCコーチング」を活用 (コーチングと治療家の役割) 振り返ると、自然治癒力を最大限に引き出すことを目的とした「治療家」への道を志して、40年以上の年月が経過しました。その過程において様々な療法を学び、さまざまな臨床研究を積み重ねてきました。もしかすると、「コーチング」は、治療家にとって異質に感じられるかもしれません。しかし、患者により深く、末長く寄り添っていく場合に、コーチングの技法は、とても重要な役割を果たしてくれます。コーチングは単に、ハウツ

          患者中心のアプローチに「ICCコーチング」

          「褒める技法」に隠された盲点

          近年、書籍やメディアなどで、褒めることの有効性が強調されている。確かに褒められることでやる気を引き出して、伸びていく子供がいる。その一方で、叱られることで、奮起して成長する子供もいる。子どもに限らず、人それぞれに個性が異なり、やる気のスイッチの入り方は異なるので、褒めるだけが良いわけではないだろう。 表面的に見ると、叱る人=悪い人、褒める人=いい人というようなニュアンスが一般的にあるので、上の立場の人は、怒る側の立場よりも褒める側の立場をとって、相手から悪く思われないように

          人間力の基礎体力

          私は通常の学生時代から治療者としての専門教育を10年、臨床経験を30年ほど続け、その間、学生同士の交流や、治療院でのスタッフや患者さんとの出会い、さらにセミナー活動で多くの方々との向き合う機会をいただいた。その過程において、感謝しきれない素晴らしい出会いがあり、その一方で数えきれないほどの反省があった。 人間的に未熟な私にとって、「人間力」は大きな課題であり、今後もその課題に向き合っていかなくてはならないと思っている。私のような治療者に限らず、あらゆる職業において、「人間力

          本物の「基本」とは何か

          様々なプロフェッショナルの分野において、「基本」の大切さは語られています。ただ、「基本」という意味の解釈がそれぞれに異なっています。 学生時代にAM(アクティベータ・メソッド)を学び、開業して数年後にAMを本格的に取り入れて、右肩上がりで患者が増えた経験から述べてみます。 パーマカイロプラクティック大学の後半は、クリニックでの研修が始まる頃で、様々なカイロプラクティックテクニックを貪欲に学んでいました。学内での選択科目として行なわれていたAMも私にとっては、様々なカイロプ

          成功するための普遍的な法則

          先日、田坂広志先生の「風の便り」のメルマガで以下の内容が目に止まりました。 そのまま掲載させていただきます。 ===================================== 我々は、人生において、誰もが「成功」を求め、しばしば、「成功の法則」や「成功の方程式」などの著書に目を奪われ、世の中には「普遍的な成功の方法」があると考えてしまいます。しかし、プロ野球の世界の一つのエピソードが、その危うさを教えてくれます。 成功するための普遍的な方法 かつて、プロ野