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【読書録】予想通りの不合理

□ 今回読んだ本

予想通りの不合理

ダン・アリエリーさんの原作を熊谷洋子さんが翻訳したもの

□ なぜ読んだのか

私は社会人2年目のSaaSマーケターです。1年目は担当プロダクトのマーケティング・プロダクト開発を通して仕事に従事してきましたが、そこで得られた人々の反応を改めて自分の中に知識として落とし込みたいと思い、以前知人に紹介されていた本著に手を出しました。

□ サマリ

- 経済学の前提は人間は合理的な生き物であり、あらゆる選択は結果が最善になるように行われているという前提で体系化された理論。
- それに対して行動経済学は、人間は限定合理的であり、相対性・欲求・社会規範・信頼性というあらゆる影響下によって不合理な決断をしてしまっている可能性があるというもとを前提に構築されている理論。
- この本ではその人間の行動特性を具体的な実験とその結果を踏まえてわかりやすく解説されている

□ Take home

- 向上心はお金では買えない / Can't ebuy me motivation
- 予測や期待によって効果が変わりうる(プラセボ効果)
- 価格は人の経験を変化させる場合がある
- なにかにおいて最初の決断はアンカーとなり、その後何年にもわたって未来の決断に影響を与える
- 過去に支払った金額の記憶と、過去の決断との一貫性を維持しようと無意識にしてしまうため
- 0円と1円は大きな違いがあり、0円になると興奮度合いが増し不合理な判断をしかねない

□ 考えたこと

 消費者へのサービス提供者として、人々の判断に影響を及ぼすものを認識することがまずは第一歩

 0円と1円の違いをただの数値の差として捉えるのではなく、興奮度合いが圧倒的に違うことはtoB,toC向けのサービスいづれも提供する上で欠かせない要素

 他には、自分自身の判断が過去のアンカー(第一印象)によって決まっていることは文字として伝えられることで、より警戒しないといけない。例えば、今まで10000円で購入していたスニーカーが2000円で売り出されていたら、私なら「偽物なのではないか?」「不良品でセールに違いない」「販売元は信用できるのか」など考え、結果的に購入しない意思決定を行う可能性がある。

  逆に最初は10000円で買ったスニーカーが100000円で売られていたら、「過去の私はお得に買えた」「限定品なのかな」「有名人が買って価値が上がったに違いない」など、自分の決断を肯定化するような仮説をたてるだろう。このように私も含めて人はみな相対性の中で意思決定や思考を行っており、初期のアンカーポイントを基準に感情や整理がなされる。いまだかつてない市場に対する商品の場合は、利用頻度と得られる価値から、相当する過去の商品を比較材料として意思決定をするだろう。

マーケター目線だと、その人がある商品・サービスに対してどれだけ価値があると思ってもらえるかによって、市場規模は変化するため、初期のブランディング価格設定は何よりも重要である。




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