デュアルディスプレイの効果を舐めていた話
ちょうど10年前だったか、9年前だったか忘れてしまったが、感じたことは忘れていない。NOTE PCを使用していた会社の同僚Yが事務所内で余っていたディスプレイを繋げだした。
「NOTE PCのディスプレイで仕事するのキツイ」
基本的に事務所内でしか作業しないので、みんなデスクトップPCを使用していた。同僚Yだけは業務の都合上、出張が増えたのでNOTE PCを使用していた。流石に画面が小さかったようだ。
僕は「大変やなぁ」と思っていたが、口にも出していた。同僚Yはそんな僕の同情とも茶化しているとも受け取れる言葉を聞き、ついにディスプレイをつなげるようにした。
ちなみに同僚Yとは、思ったことが言い合える関係性だったので、茶化したような言い方ができる。他の人ではなかなかそうはいかない。
実は同僚Yがディスプレイを繋げたことにそんなに興味はなかった。まったくといっても語弊はない。しばらく作業をしたあと同僚Yが僕のところにやってきてこう言った。
「2画面めっちゃ良い!!やってみれば?」
当時はデュアルディスプレイなんて言葉を知らなかったので、「2画面」と言っていた。2画面とか今思えばカッコ悪いけど、当時は当たり前のように言っていた。
「2画面2画面2画面」
今でも言ってしまうなんて大きな声では言えない。
話を戻す。2画面を勧められた僕の反応は冷めたものだった。同僚Yは2画面の良さをアピールする。「左でエクセル見ながら右で3D作業できるよ!」「左で3D見ながら右で文章打てるよ!」
「言ってること同じやん」って思いながら、(もちろん口にも出した)「別に画面ひとつでも仕事できるし」って思った。(もちろん口にも…)
当時、ひねくれていた僕は、2画面なんかに頼らなくても大丈夫と思っていた。そのうち、同僚Yが2画面にしたのを見て、同じく2画面にする同僚も現れた。
それでも僕はやってない…
なにかのタイトルかのようだが、気のせいだろう。元々流行にのるのが好きではなかった僕は、周りが2画面にしたからって動じることはない。
「あれ?あの人も2画面にしてる」「そんなに良いん?」「まだディスプレイ余ってるかな?」「え?もうディスプレイないん?」
動じることはない。
そこから3ヶ月位経った頃、まさかの事態が起こった。
本社から余ったディスプレイが送られてきたのだ。なんでも「効率化のためにみんな2画面にしよう」とのことらしい。
かたくなに2画面を拒否していた僕にとって、ついに2画面を受け入れなければいけないときがきてしまった。ついに。全然気になってなんかいなかったけど、会社として取り組むのなら仕方がない。受け入れよう。僕もそこまでひねくれてはいない。
さっそくディスプレイをつなげる。早く作業に戻りたいから、急いでつなげる。決して2画面が楽しみなわけではない。
無事につながったことを確認し、僕は作業を再開した。作業を再開した僕は、思ってもみなかった感情が湧き上がり、席を立った。同僚Yのもとに駆け寄り、想いを伝えるためだ。
「これめっちゃ良いやん!!!!!」「左でエクセル見ながら右で3D作業できるやん!」「左で3D見ながら右で文章打てるし!」
自分でもびっくりした。まさか最初に同僚Yが言ったことと同じことを言うことになるとは思わなかった。それくらい2画面、いやデュアルディスプレイの効果はすごかったのだ。
正直、やりやすいとかのレベルではない。品質にも影響がでるレベルだ。左で資料となるファイルを見ながら右で作業できる。当たり前のことだが、これだけでも視認性が上がる。視認性の良さは精度や効率にも好影響をもたらすだけでなく、作業のストレスも下げてくれる。
なによりもカッコいい。ディスプレイが増えるだけでこんなにカッコよくなるのか?というくらいカッコいい。一気にエンジニア感が上がる。
右と左を入れ替えても問題ない。いや、これは利き目や利き手の問題もあるからなんとも言えない。
ちなみにこれは余談以外のなにものでもないけど、僕は利き目が「左」で利き手は「右」。でも卓球は「左」。あと利き足と聞き耳も「左」という面倒くさいことになっている。
とにかく、デュアルディスプレイは自分が思っていた以上の効果があった。まだデュアルディスプレイを導入していない方は、僕のように疑わずに、ぜひ試してみてほしい。カッコいいから。
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