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【将棋ニュース雑記 4選】◎王位戦第三局 藤井七冠vs佐々木七段◎ABEMA予選 藤井七冠vs佐々木八段◎NHK杯 中村八段vs阿部六段◎JT杯 天彦九段vs稲葉八段


将棋ニュース雑記(覚書)

今日の記事では、次の4つの対局を取り上げ、将棋にまつわるニュースの雑記、覚書としてそれぞれごく短くその印象を残しておきたいと思います。
①   NHK杯 中村太地八段vs阿部光瑠七段 戦
②   JT杯 佐藤天彦九段vs稲葉陽八段 戦
③   ABEMA予選トーナメント 藤井聡太七冠vs佐々木勇気八段 戦
④   王位戦第四局 藤井聡太七冠vs佐々木大地七段 戦

News 1-NHK杯 中村太地八段vs阿部光瑠七段

【印象に残った点】将棋プロ棋士の絶対棋感は、どのように醸成されるのか?獲得されうるのか?

初のA級昇級を決めたものの、以降連敗続きだった中村八段。
ゴルフ界では一般的ながら将棋界では珍しいといえる企業(コーヒー会社)からの個人スポンサードも決まり、新たな将棋棋士像の提示にも意欲的である。
①早稲田の政経を優秀な成績で卒業していること、
②タイトルを戴冠していること、
③羽生善治九段との信頼関係もあり、自身のYouTubeチャンネルに羽生九段が出演、誠実さを感じさせる人柄が垣間見られること、
から個人的には、将来、将棋連盟の会長に就任するかもしれない逸材とみている。

一方の阿部七段。
アベマの解説でも明るく、やや自虐的にトークを展開できる度量の広さを感じさせる棋士。中継解説の渡辺六段は、確か同期と述べていたように思えるが、手が見えるタイプとして天才型と評していた。
しかしながら、将棋を覚えたのは小学校高学年であったとも評していた。覚えて半年ほどで全国優勝していたと述懐していた。

阿部七段の将棋の指し手に通じているわけではないながら、小学校高学年で将棋を覚えるということは、絶対棋感はいかに獲得されたのだろうか?もちろん、藤井猛九段もそうではあるが、幼少期を過ぎてから将棋に触れてトップ棋士となる棋士もいるとはいえ、早いに越したことはないように思えるし、なにより絶対棋感を獲得できないのではないかと思える。

例えば、チェロの世界では、ロストロポーヴィッチは7歳、ヨーヨー・マは4歳、ジャクリーヌ・デュ・プレも4歳、音楽の世界においても、いずれの天才も弾き始める年齢はとにかく早い。
「天才少女」デュ・プレは、絶対音感を持ち、一度聴いた曲を完璧に覚えてしまう抜群の記憶力、天性の芸術的センスでもって、チェリストとしての才能を開花し、16歳でデビューした。彼女の活躍は、残念ながら難病に阻まれてしまったことはよく知られるところであるが、将棋も音楽も幼少期から才能を発揮する者の多くがトップへと至るのが共通している。

阿部光瑠七段は、倉敷将棋王将戦、平成18年、第5回大会で、当時小学6年生の時に青森県代表として出場し、高学年の部で全国優勝している。
中村八段に敗れたが、とりわけ印象的であったのは、インタビューである。明るく笑顔で答える様子は、かえって棋士としての凄みを感じさせるものであった。
どこかしら同じ青森県が生んだ文豪、太宰治を彷彿とさせる風貌の阿部六段であるが、今後注目したくなる棋士の一人である。

News 2-JT杯 佐藤天彦九段vs稲葉陽八段

【印象に残った点】トッププロ同士のプロとしての暗黙の共通了解?

佐藤天彦九段は、当時小学5年生で福岡県代表として、当時小学4年生の糸谷哲郎さんと小学生将棋名人戦西日本大会で平成10年に対局している。

また、兵庫県代表の稲葉陽さんは、倉敷将棋王将戦の前身である小学生王将戦、平成11年、第5回大会、小学校高学年の部で優勝した。ちなみに同年、低学年の部で三重県代表の澤田真吾さんが低学年の部で優勝している。稲葉さんは、翌年の第6回(平成12年)も連覇している。

幼少期から才覚を示す両棋士である。

複雑な中盤以降のねじりあいが印象的な一局だった。詳しい棋譜はほかの将棋チャンネルやサイトを参照してほしい。

筆者のあくまで雑感は、はたしてこうした込み入った展開を将棋AIは目指すのか?といったものだった。途中、大駒を狙う展開になった。AI的でもあり、人間的でもあるような印象もある。

この雑感が正しいあるいは間違っていないのかは、わからないが、込み入った展開を両者で指し進める局面の進行は、ひじょうに職人的でAIには指せないような複雑さ、つまり人間同士の将棋、トッププロ同士の将棋を志向しようという意識の共通基盤が両棋士にあるような感じがした。そういう将棋を公開対局で見せようという両者のプロとしての共通了解があるように思えた。

News3-ABEMA予選トーナメント 佐々木勇気八段vs藤井聡太七冠

【印象に残った点】佐々木勇気八段による藤井七冠との対戦に用意したスペシャルな作戦の公開についてである

非公式戦ながら、注目の二人による対局。すでに他のチャンネルなどでも取り上げられているので、あくまで筆者の雑感のみ伝える。

印象的であったのは、佐々木八段のコメントで、一局目後だったと思うが、

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