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【実践編】通過する職務経歴書の書き方

今日は実践編です。
職業柄、多くの方の履歴書・職務経歴書を見ますが、結構な確率で残念な職務経歴書を目にします。特に大手の若手社員の場合はそれが顕著です。これから職務経歴書を書く方、中々うまく書けずに悩んでいる方は、ぜひこのnoteを参考にしていただければと思います。

ありがちな職務経歴書

以下の内容を見て、皆さんはどう思うでしょうか?

2013年4月~2018年10月 XX営業部所属
【主な実績】
・2014年度の営業成績は前年比20%アップを実現。
・その他の年度も年間目標を100%以上達成。
・新規営業ではこれまで会社として付き合いがなかったA社との大型契約を獲得。
・上記のような実績から、一般社員にもかかわらず大きな仕事を多く任されている。

この方は営業部でしっかり実績も出していて、かなり自分に自信がある方だと思います。ただし、この方は書類選考で通過しない可能性が高いです。

それはいくつか理由はありますが、一番は何をしてきたか(what)しか書かれていないからです。
whatで言うと、すごい実績を出しているかもしれませんが、そもそももともとの目標が低いのではないか、個人というより会社の看板があったからじゃないか、周りのレベルが低すぎるのではないか…と、そんなに難しくない
whatをやってきたのではないか、という疑問が読み手に浮かんでしまいます。
企業側が職務経歴書を「この人はうちに来ても活躍できるか」という「再現性」をイメージできるかどうかが非常に重要になります。

「再現性」があるかどうかを示すために

ではどうしたらよいか?
「what」だけでなく、それをどのようにやったかという「how」を記載することです。「how」を示すことにより、「この人はうちの会社でどう動いて結果を出してくれるのか」のイメージを伝えることができます。
例えば先ほどの例は、以下のような感じで書き換えることができます。

2013年4月~2018年10月 XX営業部所属
【主な実績】
・2014年度の営業成績は、前年度の失注の原因、新規獲得の要因を分析することで、前年比20%アップを実現。
・その他の年度も、常に前年度以上の目標設定をし、顧客訪問数をKPIにしながら、クライアントのニーズを引き出す営業を心掛け、年間目標を100%以上達成。
・新規営業では、これまで会社として付き合いがなかったA社との契約を獲得。過去当社が契約を結べなかった理由を上司や先輩社員に詳しくヒアリングし、○○〇という課題を発見。この課題を解決する提案を、何度断られてもアポを取り続けて粘り強く説明し、最終的に大型契約の受注となった。
・上記のような実績から、一般社員にもかかわらず大きな仕事を多く任されている。

ここまで書けると、「この方はしっかり過去から学べる方だな」「KPIを設定して数字にコミットできる人だな」「ただゴリゴリ営業するのではなくお客さんのことを第一に考えた営業ができる人だな」という、「どのように活躍できる人なのか」を、企業側もイメージできるようになり、書類通過率は格段に上がります

大事なのは躍動感

更に言えば、ここに「なぜそれをやろうと思ったか」という「why」も書けると、より良い内容になります
中途採用/経験者採用では、即戦力性、現職にない視点を持った方が求められる傾向があります。「why」が書けると、「この人は常に課題を見つけようとする目を持っているので、当社に入っても成長の種を見つけてくれるのではないか」というプラスのイメージを持ってくれるようになります。
ただ、それを上記の実績すべてで記載するとすごいボリュームになってしまうので、以下のように「特記事項」として書き出してみるとよいかと思います。

2013年4月~2018年10月 XX営業部所属
【主な実績】
・2014年度の営業成績は、前年度の失注の原因、新規獲得の要因を分析することで、前年比20%アップを実現。
・その他の年度も、常に前年度以上の目標設定をし、顧客訪問数をKPIにしながら、クライアントのニーズを引き出す営業を心掛け、年間目標を100%以上達成。
・新規営業では、これまで会社として付き合いがなかったA社との契約を獲得。過去当社が契約を結べなかった理由を上司や先輩社員に詳しくヒアリングし、○○〇という課題を発見。この課題を解決する提案を、何度断られてもアポを取り続けて粘り強く説明し、最終的に大型契約の受注となった。
・上記のような実績から、一般社員にもかかわらず大きな仕事を多く任されている。
【特記事項】
・上記のA社との契約においては、自社としての成長のボトルネックは新規営業の低迷、特に大企業との契約不足があると考え、過去の自社の実績を洗い出し、その中でA社との契約が…(略)

ということで、「what」だけでなく、「how」「why」まで記載してみることを意識して書いてみてください。大事なのは、読み手が、あなたが入社した時に何を考え、どう動いて、どういう結果を出してくれそうか、という期待・イメージを沸かせる内容すること、読み手があなたの「躍動感」を感じてくれるような内容にすることです。

数字で実績が書けない職種の方ほど、howとwhyを意識する

バックオフィス系の方だったり、若手で個人成績を数字で示すことが難しい方もいると思います。そういう方こそぜひhowとwhyを意識してみてください。数字には出なくとも、どのように考え、動けるか、そうすることで組織にどういう影響を与えてくれるか、というポイントで企業側は職務経歴書を読み取ってくれます。

最後に

最後に、職務経歴書は「3-4枚」に収めましょう。
これは、職務経歴書は「文章作成能力」を確認するものでもあるからです。ここでまとまりのない、だらだらとした読みにくい文章を書いてしまうと、入社後にレポートや決裁書を書くことをイメージしたときに「中々大変そうだな…」というマイナスな印象になってしまいますし、良い実績を残した方でもそもそも読まれない、という可能性があります。
職務経歴書の内容は、書けば書くほどブラッシュアップされます。いつかは転職も考えている、というかたは、ぜひ年に1度ぐらいは書いてみることをお勧めします。また、書いてみると自分に足りないことも見えてきて、現職でこれから取り組むべき目標も決めやすくなります。転職ありきではなく、キャリアの整理、という意味でも、ぜひ書いてみてください

今回もお読みいただきありがとうございました!


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