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花束みたいな恋をした〜オタク的恋愛の敗北〜

サブカル男女の恋愛物語。
一見大衆向けの甘酸っぱいラブストーリーのように見せながら、実態は似非サブカル好き批判の没入型ラブストーリーだった。
出てくる固有名詞が少しだけサブカル好き向けで、でも超コアかというとそこまででも無いのが絶妙。
麦はサブカル好きに見えてあまりそうで無い、ストリートビューに自分が映る方がガスタンクよりも好きで、だからこそ最後は幸せのテンプレにすがる。
絹は何よりもミイラが好き、というのがブレないあたりが麦よりもサブカル好き。
麦は現実主義、絹は理想主義だから、趣味嗜好は合っても根底の価値観が合わなかった。
いくら趣味嗜好が一緒でも価値観が違うとダメという描写が素晴らしかった。
花(一生に残る思い出)の束を経験し、花束のようにいつかは枯れる消費期限付きの恋をした、というタイトルも絶妙。

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