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2拠点生活のススメ|第249回|目が合う

男女の間では、目が合うことは脈がある証拠なんて言うけれど、最近オモチャの動物や政治家のポスター、はたまた木彫りのトラなど、あらゆる目が気になり、やたらと目が合う。

まあステイホームで、あまり人に会っていないからなのか、目の付いているモノに吸い寄せられる。

いったい、どんな脈があるというのだろうか(笑)。


今日は、第1回目のワクチン接種ということで、接種会場の市民体育館へ。

老若男女いろんな人が集まっている。さすがにここでは、みんな緊張しているせいか伏し目がちで、職員の方々以外と目が合うことも無い。

接種が終わって、待機場所でのこと。

目が合っているわけでは無いのだが、斜め前に座っていた20代ぐらいの男性が何となく気になって、その後ろ姿を眺めていると、突然椅子から崩れ落ち、床に倒れ込んで動かなくなった。

えっ、ウソ、まじ〜!

静かな湖面に石を投げ入れたように、辺りは騒然とし、波紋が拡がるように倒れた青年から人々が離れていく。瞬く間に担架がやってきて、すぐに何事も無かったように座席も整えられた。

まるで忍者のような凄い早業。

きっと来場者の不安を防ぐために、日頃から訓練を積み重ねているに違いない。

・・・とはいえ、残された待機者に動揺が走る。あれが噂のアナフィラキシーか、青年はどうなったんだろうか?

動揺を隠せない者同士、互いに目と目を合わせ、本当に起きたことですよねと無言で確認。わたしも多くの人と目を合わせ、心を落ち着かせた。

人間、こんな時にも目を合わせるモノなんですね。

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