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プロメテウスとゾロアスター

難しい話しは、お笑いネタになりにくい。自分のNoteのポリシーに反する(笑)しかし、ちょっと長いけど、みんなの好きな落ちを用意しているから最後まで読んでね〜。

中東と言えば石油、石油と言えば火、火と言えばゾロアスター様(この発想は、中東通だけかなw)シルクロードを通って、日本にも火祭りが届いている。二月堂のお水取りはペルシャから来た火祭り神事が取り入れられているそうだ。ゾロアスター教の火は日本の火祭りの神様の本家だろう。

石油業界の守護神で普通に有名なのは、古代ギリシャのプロメテウスだろう。人間に火をもたらしたと言われている神様だ。神様の業界(あるのかな?)では、売れっ子はプロメテウスの方がカッコいいギリシャ神話から引用しやすいので、メジャーな神様になっている。それにしても火の神様は各国の宗教の中に登場する。それは光あっての人間の生命だからだと思う。

ペルシャ湾岸を飛行機で飛ぶと暗闇の沿海に火が燃えている海が見える。カスピ海のアゼルバイジャンの首都バクーも燃えあがる海だ。
そして、各地で仕事をして、夕闇の中をペルシャ湾(アラビア湾とはあえて言わないw)を飛行してドバイに帰ってくる時に火の燃える海をみると、ああ、帰ってきたなぁと落ちつく。

古代ペルシャはイスラーム以前であり、国教は善悪二元論・火の神様アフラ=マズダを祀ったゾロアスターの名にちなんでゾロアスター教だ。日本のマツダはMazdaと綴っているが、このアフラ・マズダから引用しているそうだ。インドの財閥Tataもフレディーマーキュリーもゾロアスター教徒だ。有名どころはそれぐらいか。世界宗教の一つだが、今の時代からみると、資金不足で伝道がうまくいかずに、なかなか世界でメジャーな神様にはなり得なかったようだ。ここが本家の火の神様の名前が世界デビューできなかった要因だろう。

イランでは、中部のヤズドという街がゾロアスター教発祥の地として有名で、1000年以上燃え続ける火を祀る寺院がある。また、葬儀は鳥葬であり、沈黙の塔と呼ばれた小高い丘が、つい60年ぐらい前までは葬儀場になっていた。火は神聖なるもので、そんなことに使ってはいけなかったのだ。ちなみに、イスラームは土葬であり、日本みたいな火葬はもっての外だ。もちろん、古代日本は庶民は土葬で、高貴な人は火葬だった。

宗教が違えば、神様という“呼び名“も異なる。元々言語も異なる民族なので、それは仕方がないだろう。イランではいまだにホダーといい、イスラームではアッラー、日本では山の神(笑)と言い、イスラームの現在でも普段の会話の言葉の中に宿る神の名は異なる。

イランはゾロアスター教からイスラム教に改宗して今年で若干1401年目だ。それぐらいじゃぁ、イラン人(ペルシャ人)は神様の呼び名は簡単に変えられない。日本では山の神の呼び名を寝言で間違えたら即地獄まっしぐらだが、天の神の名前を間違えても地獄には落ちないのがイスラームのいいところだ。生きているうちに、もう地獄に落ちたことがある人は、イスラームに改宗するといい。アッラーの救いがあなたにありますように。(了)

ラー イラーハ イッラッラー ムハンマド ラスールッラー(アラビア語)
ホダー・ハーフェーズ!(ペルシャ語)
ベ・ナーメ・ホダー(ペルシャ語) =In the name of God(英語)

参考文献:「ゾロアスター教 3500年の歴史」 メアリー・ボイス著
     「アル・クルアーン」
       アッラー啓示、大天使ジブリール通訳、ムハンマド口述、
       第3代正統カリフ ウスマーン編纂

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