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排熱への扉


序文

この駄文は、ある方とのツイッターのやり取りから始まった、ガンダム・ルブリス・ソーンの武装「ビームディフューズガン」の"排熱機構"について妄想するものである。
この妄想が外れたら盛大に笑ってほしい。

ビームディフューズガンって何ですか?

モビルスーツ「ガンダム・ルブリス・ソーン」の基本装備であり、拡散力の高いビームを放射する携行火器。長時間の射撃に対応するため、大容量バッテリータンクに加え、銃身の各部には高効率の排熱機構が組み込まれている。

ビームディフューズガン。ルブリス・ソーンの携行火器

ビームディフューズガンの「ディフューズ(diffuse)」は

放散する,広める,普及させる,(あたりに)まき散らす,満ちわたらせる,拡散させる

英語「diffuse」の意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
https://ejje.weblio.jp/content/diffuse

上記の意味を持つ。
ということで、ビームディフューズガンは口径を絞ってビームライフル然として使用したり、逆に開いて散弾よろしく広範囲に放ったりと、一粒で二度おいしい、大変お得(?)な携行火器だ。そんなビームディフューズガンの「銃身の各部には高効率の排熱機構」が組み込まれている。

ビームディフューズガンの説明。本当に書いてある

排熱とは

[名](スル)機器類などの内部で発生した熱を排出すること。また、排出された熱。「―ダクト」

goo国語辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%8E%92%E7%86%B1/

何故そんな機構が組み込まれているのかはさておき、プラモデルのルブリス・ソーンから件の機構を探してみる。
写真が下手なのは勘弁してください。

排熱機構は4つある?

1つめ。エアインテーク(空気吸入口)……というほどではないけれど銃身とフレーム兼放熱板の隙間を活用。個人的にはデザインがかっこよくて好き。
銃口付近で十字を刻むように掘り込まれた&深くえぐられたような部分も表面積を稼ぐために一役買っている……けれどこちらはデザイン的要素が大きそう。

この隙間部分が排熱に一役買っている

2つめ。放熱用スリット。
前のスリットは銃身を取り囲むようにおそらく360度刻まれている。その後ろ、ガンカメラ下にもスリットが刻まれているがこちらは上半分だけの模様。

赤丸部分が放熱用のスリット。銃身前寄りと中央付近
ビームディフューズガンをひっくり返して。
銃身前側に刻まれたスリットはおそらく360度刻まれているものと思われる。

3つめ。フレーム兼用の放熱板を上下に配置。土台の部分でスリットと接触させることで表面積を稼いで排熱効率の向上を図る。銃身左右の仕掛けも放熱板を兼ねている。仕掛けについては後述する。

赤丸部分が放熱板兼フレーム。青丸が放熱板兼排熱の仕掛け

4つめ。排熱の仕掛け。
銃身後側の赤丸が留め金。赤い線がヒンジのシャフトで、留め金が外れると水色の部分が起き上がり、さらに緑で囲った部分が前方(青矢印の方向)に向かって(おそらく)L字に開く。何というか、ジャバニーズKARAKURI折りたたみ式開閉構造?
この大きな留め金で留めておかないと、熱で歪んだ場合にっちもさっちも行かなくなるからこういう構造を選んだのだと思われる。

排熱機構。上記の説明で伝わればよいのだが

排熱機構の謎

宇宙空間は絶対零度、-270℃の世界で、バナナが凍って釘が打てるとかそういうレベルの話ではないくらい寒いを通り越して冷たい(を感じる前に人間は絶命する)。
宇宙空間で運用するなら何もそこまで排熱機構を付けなくても良いんじゃないのか、それこそ3つ目までで十分ではないのかと考えて、思いつく。

つまりこれ、そこまでの排熱を考えねばならないほどの状態に陥る可能性があるのでは?

考えられるのが、1つは有重力下……元は地球上で使用する前提で設計されたのではないか、ということ。
宇宙は常に-270℃だが、地球上では観測史上最も寒かったのが南極ロシア基地で-89.2℃。しかもいつでもこの気温というわけではないし、フォルドの夜明けが年がら年中寒い南極で戦う、ということでもない。
有重力化状況での戦闘を前提とするなら、設計段階から"(冷やせない環境で使用するから)排熱処理には相当気を使わなければならなくなるであろう運用"を想定していたのだろうということが見て取れる。
地球での使用を想定しているのでは、というのには根拠……というかルブリス・ソーンの設計思想が関わってくるが、ここでは脇に置く。

もう1つはビームディフューズガンが今以上の出力で運用可能、ということだ。
宇宙空間で使用して、それでも4つめの排熱機構まで使わねばならないほどの過熱状態に陥るような連続稼動か、もしくは高出力使用のどちらかを想定して設計されたのではないだろうか。
ここまで排熱せねば銃身が歪んで使い物にならなくなるという前提──大容量バッテリーパックを装備しているのだから当然ではあるが──ならば、4つめの排熱機構を使用するのは戦闘の終盤、大勢が決している状況と思われる。

銃撃一閃。機体を貫いてなお虚空の彼方へ伸びる出力の高さ
ビームディフューズガンを拡散モードで使用。敵機に散弾の如くビームが降り注ぐ。

ルブリス・ソーンのパイロット、ノレア・デュノクは敵の攻撃をかい潜り、かつ(ほぼ)一撃で敵を仕留める戦法を取っている。どこかの赤い彗星が得意としていた「当たらなければどうということはない」を彷彿とさせる操縦を、ノレアは12話で披露した。
この「当たらなければ~」は実のところ、携行火器が豆鉄砲では実現できない。かといって精密射撃が必要になるような火器では困る。無理に敵機に接近する必要はないが、確実に初撃で落とすつもりなら遠・中距離で威力を発揮するビームディフューズガンはノレアの操縦技能を鑑みても最適な武装と言えるだろう。
接近戦?ならば手首に仕込んだビームサーベルの出番だよ!と思ったけれど、そうなると今度はシールドが邪魔になる。それに切り結んで一体に時間をかける手間暇は取りたくない。
やはりルブリス・ソーンの運用はアクロバティック操縦からの銃撃前提……なのだろう。

ポイ捨て禁止?

11話でプラント・クエタのCブロックを分断するために使った大型火器は砲身が溶けたあげくノレア&ソフィにポイ捨てされたが、ビームディフューズガンは排熱機構がこれだけ用意されている。

"ポイ捨て禁止、ダメ絶対。必ず持って帰ってきてね"の意思が透けて見えるようだ。

ではなぜ、ポイ捨て禁止なのだろう。
コピーされると困るから?
それとも逆アセンブル……じゃなくて、回収されて分解されたあげく"どこが"作ったものか足がつくと困るから?

最後に

↑頭おかしいんじゃないですかね。失笑もの

誰ですかこんなこと書いてるの(私です)。
ビームディフューズガンはワイド化しないというか、できない。
なぜならガンカメラとバッテリーパックが邪魔になるから。
ワイド化するには、見える範囲で機構が足りなさ過ぎる。
縦横に開くとしたらそれは側面が排熱処理のためと、あとはメンテナンスの時だけだろう。


ということで、「未確定要素に対して結論を急いではならぬ」とお言葉をいただいた身ではありますが、ワイド化するにはこの武装、機構を組み込む部分があまりにも足りな過ぎるのです。
大変申し訳ございませんでした。





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