罪と嘘~24話のミオリネとシャディクについて
このページは、24話のミオリネとシャディクが面会室で顔を合わせる、わずか30秒弱のあのシーンについて妄想するコーナーです。
ここは3年後、どこかの収監施設でミオリネがシャディクに面会するシーンですが、何故3年も経ってから彼女は「どうして嘘ついたの?」と問い掛けたのかと私は不思議に思いました。
3年の間にこんな話はいくらでもできたのではないでしょうか?
……できなかったというか。
ミオリネは22話で「悪いようにはしない」と言いきりましたが、シャディクがクワイエット・ゼロの罪まで被ったことによっておそらくミオリネの目論見が崩れてしまったのではないかと予想します。
当初の見込みが狂ったことによって、ミオリネも何かできないかと奔走したが思うようには行かず、結果公判日を迎え「どうして嘘ついたの?」という言葉になったのではないでしょうか。
この二人、頭の回転がとても速いので同じ話を二度はしないでしょう。
故に「どうして~」は二人の間では初めての会話と私は見ています。
ミオリネは9話で「最後は自分で決着をつけると思ったわ」、「馬鹿ね……今更よ」(=あんたの考えはお見通し)とシャディクに伝えましたが、鋭い頭脳を誇る彼女でも彼が犯したわけではない罪まで被るその理由は読めなかったのだろう、と推測しました。
そんな彼に対し何かを言いたかったけれど言えなかったか、あるいは言いたかった言葉を飲み込んでしまったのがこのミオリネの横顔ではないでしょうか。
そして「元より自分で決めていたからね」は、9話でシャディクの行動を読みきったミオリネに対するシャディクからのささやかな仕返しではないかと見ています。
さらに付け加えると、二人のこのやり取りは、プロローグで「責任は私が取る」と独断でヴァナディース事変を強行したデリングと、フォールクヴァング爆破の件を聞いて驚愕するサリウスの構図を、デリングをシャディクに、サリウスをミオリネに置き換えての再演でもあります。
罪を被ることで一瞬でもミオリネの予想を上回り、恋のライバルであるスレッタにできなかったことを成し遂げつつミオリネの心に消えない痕を残し、そして愛する人の未来を一部分でも守ったシャディクは、この先二度とミオリネに会えないとしても、とても満ち足りた、誇らしい気持ちを抱えて生きていくのではないでしょうか。
わずか30秒にも満たない二人のやり取りですが、こんなにも多くのネタを読み取れ……もとい、妄想できるなぁという、そんな呟きでした。
余談。
彼、やらかしたと宣誓した内容が余りにも広すぎる(最低でもプラント・クエタのテロ事件&学園テロ事件2回&クワイエット・ゼロ)のと、特にクワイエット・ゼロの連合艦隊第一陣全滅の件で、とてもじゃないですが地球には下ろしてもらえないんじゃないかなぁ、と思うのです。
クワイエット・ゼロがどれだけの規模なのか予想がつかなかったとはいえ一艦隊が全滅していますので、連合は意地でも彼に全ての命の責任を押し付けるだろうと予想しています。
地球に下りれば彼は誰かに助けられて脱走するかもしれない。
しかし宇宙なら脱走までに時間がかかるし、仮に脱走したとしても再捕縛までの距離と時間が稼げるので、シャディクがいる収監施設はどこかのフロントにあると予想します。
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