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ふりかけの配色

娘と風呂に入って1時間が経過している。
娘の体に合わせて半身浴くらいになっているので、のぼせることはないと思うが、彼女は風呂で遊ぶのが好きなのでいつも長くなってしまう。

もうずっと、コップで風呂の湯を掬って、風呂桶に貯め、一杯になった風呂桶をひっくり返して風呂に戻す、という遊びというより作業のようななにかを続けている。
ずっと立って謎作業をして、身体が冷えるとしゃがんで暖まる。これはこれで見ていて何故か面白い。

彼女が立ち上がる度に、肌が水を弾いて玉のような水滴が流れる。真剣な面持ちにつやつやしたコーラルピンクの下唇が前に出ている。その謎で可笑しな光景の中で、彼女の細胞由来の美しさを感じながら、少し未来のことを考えていた。

親バカシリーズみたいな話だけれど、あと15年くらいしたら、彼女は年頃の美しい女性になるだろうが、その時私は彼女の美しさや、未来に嫉妬したりするだろうか。
想像できるような気もするしできない気もするが、あってはほしくないなぁと思う。

夕飯の時、ごはんにおさるのジョージのふりかけをかけた。ピンクと黄色と黄緑色のふりかけの粒を眺めて娘が「きれい」と笑った。
些細なことだけれど、こういう思い出の一つ一つを胸に抱いていれば、そんなに心配する必要はないような気がする。


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