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火事場のバカ力

「火事場の馬鹿力」は、
誰もが一度は耳にしたことがある言葉だろう。

馬鹿の文字をカタカナに
変換してしまうと、
火事場のバカ力となってしまい、
途端に「火事場のバカか?」と
見誤ってしまう、
何が何だか訳が分からなくなる言葉としても、
巷では有名である。

家族や恋人、
仕事上のチームメンバーなどが
体調不良のときは、自分ががんばって
支えなければとか、
踏ん張らなければとかいう
気持ちが湧き上がり、
身体中にエネルギーが
みなぎってくるように感じる
経験を20年も30年も人生を歩んでいれば、
一度や二度は経験するだろう。

僕も過去に何度か経験したことがある。

妻が風邪で高熱をだして寝込んでいると、
例え仕事からヘトヘトで帰ってきても、
妻のために力を振り絞って、
栄養のある料理を作れるし、
ベランダに干して乾いた洗濯物も
取り込んで、キレイにたためる。

もちろん食べた後の食器洗いだってできる。

どこにそんな力が残っていたんだろうと
思ってしまうようなエネルギーが身体中に
みなぎっている感覚がある。

不思議なものである。

そんなときは、
普段からこれくらいエネルギーに
満ち溢れていたら、
今まで過ごしてきた時間で
もっとたくさんのことに
取り組み、素晴らしい結果を
残せただろうと自分勝手に
想像してみたりする。

本やテレビでは、
人間は脳の能力が100あるとすると、
普段はその内5くらいしか使っていないと
よく目にしたり、耳にしたりする。

実際、僕が初めてフルマラソンに
参加したときには、こんな経験をしている。

30km地点を過ぎようとしたとき、
足が思うように動かなくなり、
もうこれ以上は走れないと挫けそうになった。
でも結果的には、そこから
十数キロなんとか走りきることができた。

人間の脳は、
自分が兼ね備えている能力やエネルギーを
半分くらい消耗した段階で、
一旦歯止めをかけるようにプログラム
されているのだろう。

そのプログラムによって、
普段から限界近くまでがんばり続けて、
身体や精神が崩壊してしまわないように
保険をかけてくれているのだと
個人的には思っている。

そして、いざという緊急事態のときに、
保険として残しておいて能力やエネルギーを
火事場の馬鹿力に
転化できるようにしているんだろう。

人間の身体のメカニズムは、
ホントにうまくできている。

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