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澄んだ青い目

新鮮な魚のエラは、鮮紅色だ。エラは時間が経つにつれて、暗褐色に変化していく。

ウロコが落ちてないものが良い。色あざやかで、つやのあるものを選ぶこと。

青い魚はあくまで青く、赤い魚はあくまで赤く、みずみずしい光沢のあるものが良い。鮮度の低下とともに、魚体の色もあせてくる。

魚体は、ピンと張っているものが新鮮。その状態なら、まだ死後硬直が解けてない。
死後硬直の持続時間は、だいたい10~40時間程度だ。それをすぎるとどんどん自己消化が始まり、目に見えて鮮度が落ち、腹がやわらかくなってくる。

そしてなにより、魚の鮮度は目にはっきりと現れる。
新鮮な魚の目は、青く澄んでいる。時間がたったものは透明感がなくなり、白く濁ってくる。
目に血がまじって赤くなったり、張りがなくなって目が落ちくぼんだ感じのものは、要注意となる。

人間の瞳を、「死んだ魚の目」に例えることがある。
やる気がなく、生気が感じられず、うつろで、ただ開いているだけの目。その人物の性格や生きざまの全てを、目が代弁しているのだ。

人も魚も関わるなら、青く澄んだ目を相手にしたいものだ。
それにはもちろん、自分自身も青い目と心をもったまま、生きていかなくちゃならない。