漬け丼社長

創業1977年の元祖漬魚の老舗メーカー社長。半世紀余りの技術から繰り出される切り身のカ…

漬け丼社長

創業1977年の元祖漬魚の老舗メーカー社長。半世紀余りの技術から繰り出される切り身のカット技術、こだわりの味付け技術、徹底した衛生管理の技術が売りの漬け丼社長

最近の記事

水を得た魚

「水を得た魚」とは、その人に合った環境で生き生きと活躍するさまを意味することわざだ。 魚は水がないところでは思うように動くことが出来ず、バタバタともがくだけですぐに息絶えてしまう。 そうやってもがいている魚でも、再び水の中へ入れてやれば一気に回復し、スイスイと泳ぎ始める。 人も同じように、自分に合った環境に出会うととつぜん人が変わったように生き生きとし始める。そうなれば、誰にとってもラッキーだ。 さて、「水を得た魚」の読み方だが、「みずをえたうお」である。 「みずをえた

    • 最初に買うべき包丁は? ①

      包丁の選び方・扱い方ひとつで、魚の味がそんなに変わるものなのか。 おそらく、びっくりするくらいに大きく変わる。 日々、美味しい魚を食べたいと願うなら、包丁の基礎は押さえたい。 といっても、いきなり機能が細分化され、特定の対象に特化した包丁を手にしても、持て余すことになりかねない。 魚をさばけるようになりたい、包丁で魚の味が変わるならこだわってみたいと思われる方が最初にもとめるべきは、どんな包丁だろうか。 扱いやすさ・メンテナンスのしやすさ(研ぎを含む)を考えれば、まずはス

      • 職人はかたまりの中に、すでに完成品を見ている

        イタリアの彫刻家ミケランジェロは、大理石から彫像を彫る時、最初から形は見えていて、あとは余分なものを取り除くだけだという意味の言葉を残している。 木彫り職人・藤戸竹喜さんも、作品を作る上で事前にスケッチしたり、模型をつくったりすることがないという。どんな大作をつくるときも、粘土で試しに作ってみるなど一切しない。 大抵の職人は対象を見て、デッサンをして、構図を考えて、下絵を描いて、それから立体的な模型を作って、ようやく彫りに入るというステップを踏む。藤戸さんには、そうした工

        • 万人受けする味

          万人受けする味とは、広く評価されるものを意味する表現だ。 味覚に対して「万人受け」と表現する場合は、相手の味覚の好みが分からずとも、確実に喜んでもらえる味を選ぶことになる。 言葉にすればあっさりしたものだが、老若男女、どんな地域の人が食べても「おいしい」と思ってもらえる味の追求となると、目の前に天を貫く巨大な障壁が立ちはだかる。 甘くすれば、お子さんのウケはいいかも知れない。ただ、酒飲みの舌に合う味にはならないだろう。 ちょっと濃い味にすれば、関東圏ではヒットするかもしれ

        水を得た魚

          魅せて売りたいサバの切り身

          2006年12月31日まで、現在のatre秋葉原にあたる駅ビルは、アキハバラデパートという名称で営業されていた。 秋葉原にかつて電気街と呼ばれた名残の、かろうじてあった頃。 このデパートでは、包丁などの日用品を実演販売していた。 テレビショッピングや通販番組でおなじみの包丁や、革がピカピカになる商品などが並ぶ。 伝説の実演販売人であるマーフィー岡田さんが、秋葉原に買い物に来たお客さんに、包丁の切れ味などをその場で披露していたのだ。 Akiba.TV Report 「マー

          魅せて売りたいサバの切り身

          手間いらずの朝食

          朝に魚を食べると、睡眠中に失われた栄養素を補給し、体内時計を動かすために必要なタンパク質や糖質を摂取できる。 魚は、肉や卵に比べて動物性脂質が少なく、消化しやすい食材。 マグロや鮭には、タンパク質の分解・吸収を助けるビタミンB6も豊富に含まれている。 アミノ酸スコア(スコアの高い食品ほど良質なタンパク質)が100と高く、体内に吸収されやすい。 魚の油は脂質代謝を高め、体重や体脂肪の蓄積を抑える効果があると報告されている。 朝に魚を食べると、他の時間帯に比べて栄養の吸収率が

          手間いらずの朝食

          共感の時代

          「安いから買う」「儲かるから投資する」といった考えに代わって、「応援しているから買う」「活動に共感しているから投資する」など、共感や信頼をベースとした経済活動が広がりつつある。 こうした経済を、「共感経済」と呼ぶ。 「共感」こそが企業や商品と、人々をつなぐ役割を果たす。 例えば、発展途上国の人々に十分な賃金を支払うことを経営理念としている会社の商品は、その経営理念に共感する人に購入される。共感する人が会社の社員になったり、投資を行ったりする。 企業の存在意義に基軸を置く

          共感の時代

          酒のさかなは魚がいい

          「酒のさかな」。 「さかな」の漢字は「魚」だと、子供の頃は思い込んでいた。「酒の肴」と知ったのは、ずいぶん後のことだ。 でも、なんで「魚」じゃないんだ? 「肴」の語源は、室町時代におかずを「菜(な)」といい、酒と一緒に食べるおかずを「酒菜(さかな)」と呼んだことに由来するそうだ。 中国から伝わってきた「肴」に、同じく「酒を嗜むときに添える料理」という意味があり、この漢字があてられるようになったという。 のちに「酒菜」の表記が「肴」に変わってからも、呼び方は「さかな」の

          酒のさかなは魚がいい

          魚 + 堅 = 鰹(カツオ)

          カツオは海の中を、すごい速さで泳ぎ回れる魚。 刺身だけでなく、いろいろな方法で食べられている。 交通も不便で冷蔵庫もないその昔、鰹は干すかカツオ節にするなどして食べることが多かったそうだ。 加工すると、カツオはとても堅くなる。 カツオ節は堅すぎて、薄く削らないと食べることができない。世界一かたい食べ物とも言われている。 堅くなる魚なので、カツオの漢字は「鰹」だ。 鰹はマグロと同様に、赤身の代表的な魚。 栄養豊富でコレステロールを減らし、肝機能を高めるタウリンが豊富に

          魚 + 堅 = 鰹(カツオ)

          澄んだ青い目

          新鮮な魚のエラは、鮮紅色だ。エラは時間が経つにつれて、暗褐色に変化していく。 ウロコが落ちてないものが良い。色あざやかで、つやのあるものを選ぶこと。 青い魚はあくまで青く、赤い魚はあくまで赤く、みずみずしい光沢のあるものが良い。鮮度の低下とともに、魚体の色もあせてくる。 魚体は、ピンと張っているものが新鮮。その状態なら、まだ死後硬直が解けてない。 死後硬直の持続時間は、だいたい10~40時間程度だ。それをすぎるとどんどん自己消化が始まり、目に見えて鮮度が落ち、腹がやわら

          澄んだ青い目

          日本の粕はカスじゃない

          酒を絞った後の酒粕(さけかす)に魚や野菜を漬ける粕漬は、古くから日本人に親しまれている。その歴史は、平安時代まで遡る。 最初に酒粕の名が登場するのは「延喜御記(醍醐天皇の日記)」で、当時は茄子、冬瓜、茗荷などを漬けて食べていた。 米を原料とした酒はすでに奈良時代に存在し、その頃からつくられていたのではないかという説もある。 日本には四季があり自然も豊かだが、食材が豊富に収穫できる国土ではない。 そのため食材を無駄にしないで上手に「始末」し、さらに美味しくする術を身につけて

          日本の粕はカスじゃない

          ふるさと納税をお試しあれ

          「ふるさと納税」とは、自分が応援したい都道府県や市区町村といった「自治体」に寄付ができる制度だ。 「納税」という名前でも、実際は「寄付(寄附)」をする行為になる。 「ふるさと納税」の人気が高まっている最大の理由は、「寄付の返礼」として、地域の特産品がもらえることにある。 お米や肉、魚、野菜に果物など、お返しの品を総称して「返礼品」という呼び方をする。 好きな自治体に「寄付」を行い、寄付した金額を住んでいる地方自治体へ申告することにより、寄付金の一部を、本来納める税金から

          ふるさと納税をお試しあれ

          歴史が築いた焼津ブランド

          静岡県焼津市の地名「焼津」は、古事記や日本書紀に登場する日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征伝説に由来している。 日本武尊が東征の途上、地元の賊衆に襲われた。 そのとき天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)で草をなぎ払い、火をかけて賊を滅ぼしたという伝承から、「焼津」と命名されたそうだ。 「焼津」という地名は縁起が悪いという理由で、「益津」に変えられた時代が長く続いたらしい。 古代から明治中期まで存在した益頭(益津)郡は、本来「焼津」という地名がもとになっていたと考えられる

          歴史が築いた焼津ブランド

          【キャンプブームは終了は嘘!キャンプ好きは新たなキャンプを更に開発!?生魚料理は満足度UPの穴場!!」

          コロナ禍に爆発的に伸びた キャンプブーム 外出や旅行が制限された中で 原点回帰のようなことが謳われながら 童心に戻れる新たな休日の過ごし方として 多くの年代、属性の人がこぞってキャンプを楽しんだ キャンプの魅力はたくさんある。 ①大自然を感じながら何にも縛られない環境 ②魅力的なギアで自分らしいサイト作り ③自然の中で楽しめる映えを狙える美味しい食事 ④独自の火の扱いで自分に合った焚き火を楽しめる ⑤料理が上手になる ⑥自由自在なスタイルで飽きない まだまだあげれば

          【キャンプブームは終了は嘘!キャンプ好きは新たなキャンプを更に開発!?生魚料理は満足度UPの穴場!!」

          鮮度の高い贈り物

          #いまる井川商店 友人が車を走らせていると、助手席に座る同業者が問いかける。 むかし世話になった社長が、こんど新しい事務所をオープンすることになった。何か祝いの品を贈りたいんだが、どうしたもんだろう。 すると我が友、間髪入れずに「いまる井川商店の贈答品にしなよ」と答えたそうだ。 わが社と友人の付き合いをご存じとはいえ、この方もさぞかし戸惑ったことだろう。 普通に選ぶなら、定番の胡蝶蘭やインテリア雑貨、商売繁盛を願う縁起物(招き猫やだるまなど)あたりを挙げると思ったはず。

          鮮度の高い贈り物

          【生の魚が冷凍パックで食べられるなんて】

          #漬け丼の井川 「約束に遅れるぞ、急げ。日本人はせっかちだから」 「そうなの?」 「なにしろ、魚が焼けるのも待てないぐらいだからな」 かつて観た、アメリカ映画のワンシーンだ。 セールスマンが急ぎの商談で、日系の会社に向かっている。その途上で、日本人の魚の生食を皮肉っているのだ。 それが今じゃ、どうだろう。 外国の観光客が滞在時に食べた日本料理は、「寿司」(68.3%)が突出して多く、唯一半数を超えている。2023年、農林中央金庫による最新の調査結果だ。 以下は「天ぷ

          【生の魚が冷凍パックで食べられるなんて】