政府支出とGDP
あんたにも世の中にある色んな意見のなかで、うまく理解できない意見ってのがあったりするかい?
その理解できない意見の多くは俺が持っている情報とその理解できない意見を持っているヒトの情報に差があって起きる現象だと思う。
俺が持っていない情報が原因で俺が理解できないケースもたくさんあるってのは腑に落ちるところだ。
同時に俺が持っている情報についてそのヒトが持っていなかったり「間違いだ」と思っていることも普通にあるだろう。
それでもさ。
自分が理解できない意見を「何故そう考えるのか」って思いを巡らすことはやめたくないよな。
だって、それをやめちまったら変化するっていう生きるための必須条件を捨てちまうのと同じだもんよ。
今回は自分とは違う意見を眺めながら、どうしてそう考えるのかってのを想像してみる回だ。
ちっとオッサンの修行の旅に付き合ってくれよな。
不景気における財政出動の必要性の否定
今回、この事を考えてみようと思ったきっかけをくれたnoteがある。
t.uedaさんは「MMTパラダイス教団」というキーワードでMMTを危険なものだとして記事にしてくれている。
俺個人の考えとしては日本国内のGDPが成長できていないって現状では政府支出を増やさざるをえないってのはマクロ的には疑う余地がないって感じているので、その点において、政府支出が必要ないって意見はそのままだとうまく理解できない意見なんだよね。
そこでt.uedaさんの記事を眺めていってみよう。
政府支出はGDPを押し上げないか
上記の記事の中でこんな表現をしてくれている。
まずこの文章の中で脊髄反射的に「国債の無限発行」なんてMMTでは認めてないでしょって言いたくなるけれども、シンプルに理解出来なかったのが「政府支出がGDPの成長に直接リンクする、という説はほぼ棄却されている」って文章だった。
ほへ?
なんで?
例えば内閣府によるGDPの速報値のページを眺めてみる。
この中にある、時系列表1って資料に「国内総生産(支出側)及び各需要項目」って項目があるんだけれど、その中でGDPの内訳の中にこう言う項目がある。
政府最終消費支出
公的固定資本形成
……ジャストミートで政府支出のことだよね?
あれ?俺の言葉の理解がおかしいのか?
……合ってるな。
え?だとするとなんで政府支出がGDPの成長に直接リンクしないなんて意見が生まれたんだ?
GDPの内訳の一部に政府支出があるのに。
もしかすると、政府支出が増えても民間の支出の成長にはつながらないよって書きたかったってことなのかな?
いや、それでもなぁ。
政府が使ったお金がほぼほぼ海外に流れるってことだよな。
そうなの?
財務省の資料によると一般歳出の内訳はこんな感じらしい。(2020年度)
社会保障:33.7%
公共事業:5.6%
文教および科学振興:5.0%
防衛:5.0%
その他:8.6%
新型コロナ予備費:4.6%
まず社会保障と公共事業は受益者が完全に国内にいるんだから、サービス提供そのものは外国資本の会社がやったとしても、立派に国内の企業に対する支払いにならざるをえない。
それ以外の文教および科学振興だって、防衛だってそのために動くためのヒトの人件費がメインだって聞くよな。
※防衛費なんて、自衛隊施設のトイレットペーパーですら隊員が個人負担するなんて話を聞くくらいだし。
つまり、これらの政府支出が増えれば、その分国内企業の売上が上がるんだから絶対にGDPが上がることになる。
……どうしよ。わからない。
俺がつかんでないだけで、社会保障費も公共事業も外貨建で政府が外国企業に支払っているってデータがあるんだろうか?※外国資本企業ではなく
でも、さっきのGDP速報値で政府最終消費支出が1,167,138億円なのに対して純輸出って-6,709億円。
文字通り桁が違う。
政府最終消費支出の多くが外国に流れているってのはこの数字を眺めるだけでも説明的に無理がある。
政府支出がGDPを押し上げないって説明も、政府支出が国内企業に回らないって説明も出来ないぞ。
なあ、あんたはどう思う?
俺は何を見落としているからこのことを理解できないんだ?
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