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『えんとつ町のプペル美術館』を作る・「新世界」を読む

ようこそ「新世界」の世界へ。

この記事はお笑いコンビキングコングの西野亮廣さんの著書「新世界」をその章立てごとに読み解くことで、より「新世界」という作品をあんたに楽しんでもらうための記事だ

今回は15回目。「『えんとつ町のプペル美術館』を作る」の章を読み解いていこう。
目次はこちらね。

「えんとつ町のプペル美術館」というエンタメ

えんとつ町のプペル美術館。

この本を読んだあんたなら、この美術館が何者かはわかると思う。一言で言えば、西野亮廣とその仲間の全力の遊び場だ。

西野亮廣さんという御仁はどうにも壊滅的なまでにお金に頓着がない。なので「おもろそう」って思うと、すぐにお金を使い始めてしまうらしい。

この「えんとつ町のプペル美術館」はその最たる例だ。

きっかけは西野亮廣エンタメ研究所のメンバとの会話だったらしい。

サロンメンバーと話が盛り上がっちゃってね、皆と一緒に『えんとつ町のプペル美術館』を作る事になっちゃった。
キミも学生時代に、文化祭でクラスの皆と力を合わせて巨大なオブジェを作ったりしたでしょ?
あのノリだよ。
出展:新世界

その勢いのまま、西野亮廣さんの生まれ故郷川西市に土地を買ってしまう。有り金はたいて。

土地だけで貯金が吹っ飛んじゃったもんだから、さあ大変。土地はあるけど、何かを作るお金が無い。

作りたいものをざっくり見積もってもらう。その額15億円。

貯金は0。必要なのは15億円。
ってかその計算、土地を買う前にやっておけよって話だよな。

とはいえ、もう買っちゃったんだから前に進むしか無い。このことを西野亮廣さんはこう捉えていた。

こりゃ、ゲームオーバーかな?
いいや、ゲームスタートだ。
出展:新世界

この感覚。ちょっと見習いたいよな。

人生は逆転するゲームってなもんだ。

俺たちは人生っていうパズルを楽しんでいかなきゃならない。
時間制限ありのパズルだ。

パズルであることを忘れて、問題集にしてしまったんでは、人生もったいない。せっかくなら楽しんでいかなきゃいけない。
あんたも、そう思うだろ?

で、この更地をみて、西野亮廣さんはこれを「エンタメ」と捉えた。

つまり、「ここに美術館を作るっていう遊び」を思いついて、それに大人たちを巻き込めば、「エンタメ」として成立するってね。

まず更地をみる。
この更地に美術館がたったとする。

たった後に「ここはこんな更地だったんですよ」って写真があったとする。

その写真に価値は生まれるのか。
「是」生まれる。

ここに美術館が立つ前に、看板だけ立てて「美術館」を名乗ることで不都合が生じるか?
「否」美術館を立てていることそのものが「美術」だと言うことはサグラダ・ファミリアが証明している。

かくして、「えんとつ町のプペル美術館」は更地のままスタートしたってわけだ。

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