年次有給休暇取得義務化が俺たちに迫っているもの
年度末だよなぁ。
あんたのところは無事年度が締められそうかい?
俺のところは関わっているプロジェクトが佳境で、働き方改革の真逆の方向で働いている感じだ。
とは言えこう言う瞬間も必要だから、まぁしゃーない。会社人だしな。
必要なのは仕方ないが、その仕方ないってことに向けた調整は今度の4月から、厳密になってくることがある。
有給休暇だ。
今回は、今度の4月から施行される「年次有給休暇取得義務化」ってやつを考えて見る話だ。
年次有給休暇取得義務化ってなんだ?
まずはこの漢字だらけの「年次有給休暇取得義務化」ってやつを紐解いていこう。
ざっくり言えばこうだ。
「年に10日以上有給休暇が与えられるやつは、5日は取らないとあきまへん。もし、自分で有給休暇を申請しないアホは、会社が時期を指定してとらせなあきまへん」
うむ、なぜインチキ関西弁になっているかは秘密だ。
まあ、要するに休めってこったな。
休まないと会社に罰則規定が適用される。つまり休まないやつは会社から評価が下がるってスンポーだ。
一生懸命仕事してんだからいいんじゃない?
そう、あんたは思うかもしれないな。
だけど、ものが法律、しかも罰則規定付きの法律だ。
会社はきっちりと休みを取らせにかかる。でも仕事は待ってくれない。そうしたら俺たちプロレタリアート(≒サラリーマン)はどうしたら良いんだって話だよな。
組織からの要求で俺たちは働いている。それがどれだけ難しいことでも、文句も言わず働いている。
今までは、それが自分の能力を超えることでも、残業でも何でもして結果につなげることが出来た。
だが、お上は「休むことはあなたの義務です」と言ってきているわけだ。
つまりこれからは決められた時間の中で、組織が望む結果を出さなきゃいけないってことになる。
体力勝負でなんとか出来る時代は終わったってことだな。
そうなると、自分の能力を上げるか。さもなくば、サービス残業でなんとかするしかなくなってくる。
特に現場に近い仕事をしているあんたは、深刻だ。
他に担い手がいない以上は、なんとか出来るのはあんただけなんだからな。
俺たちがとるべき手段
じゃあ、俺たちはサービス残業で泣き寝入りするしかないんだろうか?
否。方法はある。
俺たちは、自分のスキルってやつを正確に把握する必要がある。
なぜかって?
自分に振られた仕事を正確にこなせる量ってのを把握した上で、不足する工数をプロジェクトとして把握するためだ。
会社としては、年次有給休暇取得義務化によって縛りが増えたものの、それによって、俺たちを縛りたいわけじゃない。
むしろ、きっちりとした仕事に必要な対価は与える気は十分にあるはずだ。
だが、法律で定められた以上、それに対応しなければいけないってだけの話だ。
それなら、組織として何を俺たちに求めるか?
ズバリ、作業の平準化だ。
俺たちの仕事を俺たち以外の誰かでも出来るようにするってことだ。仕事を単純化出来れば、アウトソーシングを含めて、作業の平準化ができるからな。
平準化の末にあるもの
だが、その平準化の先にあるものは何なのか?
俺たちの価値の陳腐化だよな。
俺たちは俺たちの成果を残すため、俺たちのスキルを組織と共有する。それによって、仕事は平準化され、組織としての健全化が図られる。
だがそれはあんたが持っているスキルの陳腐化以外の何者でもない。
つまり、俺たちは「休むことでワークライフバランスを取ろう」という美辞麗句の先にある、俺たちの価値の無力化という悲劇にひた進んでいるわけだ。
ではどうすれば良いのか?
俺たちが俺たちの価値を必要とする所に提案していくしか無い。
そのためには俺たちは俺たちの価値ってやつを正確に把握しなけりゃならない。
つまりは、俺たちが何者なのかってことを把握しなけりゃならない。
なあ、あんたにはあんたの価値がわかるかい?
俺たちの未来に向けた何かを理解できているかい?
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