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砂不足を考える

あんたは今の世界で実にいろんなものが不足しているって話を聞いたりするかい?

戦争が始まってからエネルギー資源に対する危機的な状況は続いているわけだけれども、どうやら不足しているのはエネルギーだけじゃないってことなんだそうだ。

その不足している資源の一つに挙げられるもの。
それが「砂」なんだそうだ。

今回はこの砂の不足って状況について調べてみようって回だ。

いやはや、俺たちホモ・サピエンスはこの地球をどうしちまってるのかってのを改めて眺めてみようぜ。

砂の用途

まず最初に俺が思ったのが「砂なんてなんに使うのよ?」って話からだった。

なんとなくイメージしたのが、どこそこのビーチの砂浜がどんどん砂が流されちゃうので、定期的に砂を追加しないとだめになっちまうって話だったんだよね。

でも、全てのビーチで同じ現象が起こっているわけじゃないし、ビーチそのものが場所として限定的だから、砂の用途としてはメインじゃないっぽい。

どうやら、砂のメイン用途ってのは、コンクリートやアスファルト混合物を作るためってことらしい。
細骨材っていうんだそうだ。

コンクリートに使われるってことはだよ。
要するにビルだとか道路だとかを作るために必須の材料ってことなんだな。

でだ。
世界規模で見ると、都市化の流れってのは急激に広まっているんだそうだ。

2005年版の『国連世界都市化予測』報告(UN World Urbanization Prospects)によれば、20世紀は世界人口の急速な都市化を見た時代であった。1900年に2億2000万人(世界総人口の13%)だった都市人口は、1950年には7億3200万人(世界総人口の29%)に、2018年には38億人となり、世界人口の55%が都市に住むようになっている。同じ報告書によれば、2030年には都市人口は世界人口の60%(49億人)となっていると予測されている。

出典:Wikipedia

49億人が都市に住むってエグい数字だ。
ざっくり今よりも10億人分の働く場所と住む場所とそれをつなぐ道路が必要になるって話だもんな。

そうなってくると、当然消費される砂ってのもエグいことになる。
実際、シンガポールがインドネシアから砂を大量に輸入したもんだから、インドネシアの12の島が消えちまったって話もあるらしい。
あなおそろしや。

砂の入手

でもさ。
砂なんてどこにでもいくらでもあるじゃんかって思うじゃん。

例えば海に行けば砂なんでいくらでもありそうだし、なんなら砂漠なんてお宝なんじゃね?って思っちまうよな。

ところがそうは問屋が卸さないらしい。

まず海砂は塩分を大量の含んでしまうので、鉄筋コンクリートとの相性が非常によろしくない。
そらそうだ。塩分を含んでたら鉄筋が錆びてぼろぼろになっちまうもんな。

どうやら鉄筋コンクリートにかぎらず海砂を利用したコンクリートは一般的に脆いらしい。そいつはアスファルトも同様みたいだ。

じゃあ、砂漠ならいいだろって思うけれど、砂漠の砂って風化ってプロセスを経てできているって理由で、細骨材として使うにはサラサラしすぎていて使えないらしい。

ビーチの砂浜の補強には使えるかもしれないけれども、莫大な輸送コストをかけてビーチを守るためだけに使うってのは経済的合理性に欠けちまう。

結果、細骨材として使える砂ってのは川砂だけになるってことなんだそうだ。

砂不足への対策

実際、この砂不足に対して砂マフィアなんて違法集団も出てきちまっているらしいけれど、そんな集団がどうしようとも砂の絶対量が増えるわけじゃないから、どうしたって対策は必要になる。

今のところ、古くなった建造物のアスファルトやコンクリートを細骨材として再利用するって動きもあるらしい。

アスファルトの再利用率は98%超えているらしいから、すでにすげえ工夫しながらしのいでいるんだね。

それでも完全に砂不足って課題に対応しきれているわけじゃない。

やっぱ、砂漠の砂を安価に加工できる技術とかが出来ないとどうにもならない気がするよな。

なあ、あんたはどう思う?

この危機的な状況を何とかする技術は日本で生まれると思うかい?

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