見出し画像

システム屋が生き残る戦略

あんたは今の仕事ってやつがあとどのくらい続けられると思っているんだろうね?

システムエンジニアの仕事はAIにどのくらい侵食されるのか?みたいな雑誌の記事があったのを読むと、他の職業に比べればまだ侵食されにくいって書いてあった。
理由は、ニーズを形にして「納得してもらう」ためのプロセスってやつは、なかなかに定型化しにくいからってことらしい。

でも、システムエンジニアの仕事って年を経るごとにどんどん生産性の向上が求められ続けている。
なぜか知らないけれど、会社が俺たちが1時間働くための原単価を確実に値上げしていっているからなんだよね。

つまり、原単価が1割値上げしたら、同じ仕事を1割効率化しないと成立しないってことなんだ。

そうなってくると、どんなことが起きるのか?
今回はそんな仕事のことをなんとなく考えてみる回だ。

あんたの仕事もおんなじようなことが起きているかもしれないぜ?

トライアンドエラーが許される状況

実際、俺の勤めている会社は、入社当時はあるグループの子会社だったんだ。
特定地域の中小企業を相手にシステムを作っていくって会社だった。

入社当時はクライアントサーバの仕組みが花盛りで、データベースはOracleの一人勝ち状態だった。

その当時はクライアントサーバの仕組みってやつは、新しい仕組みとしてもてはやされていた。
それまで、ただの端末でしかなかったクライアント(実際に操作をするコンピュータ)にパソコンを使うことで、パソコン側の処理性能を使わないと損だって考え方のもと、それまでホストで一括で処理していた業務を、一部はクライアントであるパソコンにやらせてみようって発想なんだよ。

で、そんな発想は今まではなかったもんだから、試行錯誤で色々とやってみることになった。

当然、それまでの技術を駆使していた先輩たちもやってはいるんだが、どうしたってトライアンドエラーの回数が増えてしまう。

そうして、べらぼーな残業時間を費やすことでようやくシステムとしての本稼働を迎える。そんな感じだった。

当時は月の残業が100時間とか普通だったしな。

トライアンドエラーが許されない環境

そして、時は経ち現在。
俺たちは生産性向上の名のもとに、トライアンドエラーがほとんどできない環境に追い詰められている。

それがどんな意味を持つのか?

様々な技術革新はどんどん進んでいるが、その最先端技術を取り入れるだけのトライアンドエラーが出来ないのだから、そんな革新的な技術は今まで通りの方法では取り入れることが出来ない。

ではどうするのか?

その技術を取り入れたことがある企業とタッグを組んで仕事に当たるってことになる。
つまり、その会社ならその最新技術を取り入れた経験があるから、トライアンドエラーをしないで済むってスンポーだ。

一見、それで良いじゃんとあんたは思うかもしれない。

でもそれをやっちまうと、どんどん社内のノウハウが希薄化していってしまうんだ。
ノウハウが希薄化したときに起きること。それは、他社との差別化がどんどんできなくなっていくことを意味する。

結果、生産性の向上ってやつは、自らの首を絞めているって側面があるってことになるんだよな。

システム屋にできること

冒頭に言った通り、システムエンジニアがAIに取って代わられる可能性が比較的低い理由は、お客さまのニーズの掘り起こしのプロセスにある。

だけれども、生産性向上の名のもとに、実態としての技術力はアウトソースが進んでいく。

技術力は他社にあるという状況で、俺たちシステムエンジニアはどうやってお客様のニーズを実現していくことになるんだろう?

答えは、各技術もしくはサービスを組み合わせて、お客様のニーズを実現するシステムコーディネートをする力ってことなのかもしれない。

多分、今後のシステム開発はどんどん「開発すること」から離れていくことになると思う。
GoogleのGmailであったり、IFTTTのようなサービスであったり、そういうサービスを組み合わせて実現するって感じかな。

で、それを実現するために何が必要になるのか?

・サービスに何があるかを把握すること
・お客様の業務を細分化して整理すること

この二つが不可欠なんだと思う。

前者はAIを駆使して把握していくことになるんだろうね。問題は後者だ。

お客様の業務ってやつは、「なぜその業務をやっているのか」を誰も知らないことが普通に起きる。

あんたの仕事を振り返ってみてもそうだろう?
なんでこの申請が必要なんだろうって思うような申請処理があんたの仕事にもあると思うんだ。

その仕事、本当に必要ですか?って整理する仕事。

こいつが俺たちシステム屋が生き残るすべなのかもしれない。

なあ、あんたはどうだい?

あんたの仕事ではどんな戦略で生き残っていけそうだい?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?