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日本のアニメは生き残れるのか?

あんたも数々のアニメを楽しんでいるかい?

俺たちオッサンがガキンチョの頃に比べてアニメの作画品質は飛躍的に向上していると思うんだ。

3Dモデリングとトゥーンシェーダーを活用することで作画の手間暇をできるだけ効率化しつつ、それでも2Dでの作画を丁寧に作り込むことで、全体の作画品質を向上させている現場の努力ってのは筆舌に尽くしがたいもんがあると思うんだよね。

ところがだよ。
このアニメを作ってくれている制作会社で働くアニメーターの皆さんの給料って気にしたことがあるかい?

今回は日本のお家芸と言ってもいいアニメの制作現場が抱えている課題について考えてみる回だ。

コンテンツを作り続けられる環境。どうすれば俺たちは手に入れることができるのか?
ちっと一緒に考えてみようぜ。

日本のアニメーターの平均給与

今回、日本のアニメーターの平均給与って情報が俺の低めのアンテナに引っかかってきたんだよ。

月収17万5千円。

そうこの記事は伝えてくれている。

ちょっと尋常じゃない金額だ。
アニメに使われる原画1枚に対して100円にしかならないって話も聞く。
時給換算すると100円切るって話も書かれている。
最低賃金を明らかに切っている状況はなんで許されているのか?

この記事ではそのあたりの詳細は触れられていないんだけれども、おそらくはUber-Eatsと同じ構造の闇があるんだと思う。

つまり実際のアニメーターは社員として雇われているのではなくて、個人事業主として個別に制作会社と契約を結んでいるってことなんだろう。
そうすることで制作会社としては最低賃金の縛り無くアニメーターに仕事をしてもらえるってスンポーだ。

コイツはアニメ制作会社がたまらないほどのグレーゾーンに手を付けなければアニメを作るという夢の仕事を続けられないってことを意味している。

それほど、制作会社に落ちるお金は絞られているってことなんだ。

製作委員会方式の闇

なぜに制作会社にお金が流れていかないのか。

その元凶と言われているのが製作委員会方式という日本独特のアニメ制作の環境だ。

製作委員会方式というのはざっくり言えば、アニメを作るための出資者を募って、結果として出来上がるコンテンツやそれに伴う権利を製作委員会が管理するという方式だ。

この方式にすることでアニメ制作のコストを複数の会社・組織で分担することが可能となり、そのコンテンツから得られる収益とコンテンツが抱えるリスクを分担するってのが出来るようになる。

ところが、この方式にはデメリットも有る。

実際のアニメ制作を行うアニメ制作会社が得る利益が製作委員会側に集められてしまうので、アニメ制作会社は制作に対するリスクが少なくなる代わりにリターンも極小化されてしまうってわけだ

その結果として手を動かしているアニメーターには時給100円を切るという信じがたい状況が生まれちまっているってわけだ。

日本のアニメ制作コストは中国の1/3

で、結果として現状では日本でのアニメ制作コストが中国で行う場合の1/3になっているってのがあるらしい。

結果として中国のアニメ制作会社の下請けとして日本のアニメ制作会社が働いているって状況が生まれているらしい。

そんなのおかしくねぇか?
こんなに生活するためのコストが高い日本において、時給100円では絶対に生活出来ない。
それでも、「アニメを作りたい」って思いを抱えているヒトの思いを搾取していかないとアニメが生み出せないって状況。

言い換えれば、俺たちは誰かの夢を食い尽くすことでアニメを楽しんでいるってわけだ。

とは言え、制作会社は1社でアニメの制作リスクを追うことが出来るような体力を持ち合わせていない。

一体全体、どうすればいいんだろうな?

多分だけれども、佐藤秀峰さんのようなマンガコンテンツの制作者でありつつ、コンテンツホルダーであるようなヒトが増えていくことが必要なんじゃないだろうか?

製作委員会方式はコンテンツに対するリターンを共有するってのが複雑化する中で生まれてきた方式だと思うんだ。

それが例えばブラックジャックによろしくのようにコンテンツに対する権利が作者である佐藤秀峰さんに集約されている状況なら、そのコンテンツをアニメ化するためのハードルは下がるはずだ。

ところが、マンガについての権利ってのは漫画家ではなく出版社が握るのが普通になっていると思う。

コンテンツを作るヒトに権利を渡す仕組み。
そいつはどうすれば出来るのか?

きっと、フリー戦略。
つまりマンガを無料で公開して、利益が発生する仕組みづくりってのが必要なんだろうな。
残念ながらその仕組の具体的な構造は今の俺には思いつけていないんだけれど、すでに完結しているマンガについて作者側が権利を買い戻せるような仕組みがあればいいはずなんだよな。

なあ、あんたはどう思う?

アニメやマンガが日本で生き残っていくための戦略をみんなが考えてもいいんじゃないか?

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