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日本語の翻訳の難しさ

あんたも仕事で英語を使うシーンってのが増えてきているかい?

システムエンジニアって仕事では、プログラムを組むヒトとのコミュニケーションってのが日常的にあるわけだけれども、コスト面とマンパワーの課題を解決するために、海外のヒトとのやり取りをすることが増えてきている。

大体15年前くらいから俺の場合はそう言う海外のヒトとのやり取りをし始めた感じだね。

でも最近までは日本に来てくれているヒトに日本語で意図を伝えて各国で作業しているヒトに伝言してもらうって感じだったんだ。

ところが、在宅ワークがメインになってくるなかで、直接各国で作業しているヒトと声を交わすことも増えてきた。

そうなるといよいよ自分で英語なりで話したり書いたりするってのが必要になってくるわけだけれども、英訳しようとすると自分の文章がいかに曖昧な表現なのかってのを感じたりもする。

今回は、日本語と英語を変換するにあたって、自分の日本語がいかに翻訳しにくいのかを眺めてみる回だ。

日本語って、ホント伝えにくい言葉だってのを眺めてみようぜ。

翻訳できない日本語

ネット上とかでもチラホラ見かけるけれども、翻訳できない日本語ってのは結構あるらしい。

たとえば「お疲れ様です」。

これ、対応する英語って無いらしい。
試しにGoogle先生に聞いてみたらこうなった。

thank you for your hard work.

……うん、たぶん違う。
お疲れ様という言葉には、感謝の意図は入っているけれど、thank youって明確な感謝の意図まではいかない感じじゃんか。

どっちかって言うと、「お互い仕事頑張ってるよな」くらいのニュアンス。
でも「頑張っている」ってことを押し付けないニュアンス。
そこに「ねぎらい」という感情を混ぜた感じ。

そういえば「ねぎらい」って英語だとどうなるんだ?
Google先生はこう答えた。

Negirai

うお、ねぎらいって言葉ないの?
試しに「労い」って漢字で聞いてみると「effort(努力)」って返ってきた。
ちげーよ。

こんな感じで、英訳出来ない日本語ってのは山ほどあるらしい。

伝わらない日本語の英訳

単純に言葉として翻訳できない日本語ってのもあるけれど、シンプルに普段使っている日本語って、めちゃくちゃ曖昧なんだよな。

例えば、なんかのプログラムを見て、そのプログラムに不足があったとする。

日本語で伝えるときは「このプログラムには〇〇の処理が書いていないように見えるのですが」みたいに伝えるんだよな。

でもこの「ですが」ってのが厄介だ。
日本語ではこの「ですが」って言葉によって、相手の主体的な判断を促す様なニュアンスを込めることが出来るんだけれども、この表現って英語だと全然伝える自信がない。

なので、英語に翻訳し易い日本語で書き直すわけだ。

「このプログラムには○○の処理が書かれていません」
って感じで。

そうなると、はいそうですかってなるわけだけれども、この言葉だとあれじゃん。
完全に指示待ち人間が作り込まれるやつじゃん。

「このプログラムには○○の処理が書かれていない理由は何ですか?」
みたいに書いてみても、もとの「ですが」に比べて実に刺々しい感じがする。

いや、もっと仲間として仕事したいのよ。
俺は仲間であってボスじゃないのよ。
って言いたくなるやつだ。

でも英語という言語の特性上「言い切る」ことは大前提っぽいんだよな。
特に仕事のシーンでは。

たまに仕事をしている仲間に言う言葉にこんなのがある。

「みんなで幸せになろうよ」

名作である機動警察パトレイバーの後藤隊長の名台詞だな。

これを英訳するとこうなる。

「Let's all be happy.」

いや、ちげーよ。
「みんなで」の「で」のニュアンスが吹き飛んじまってる。

確かにLet'sということで一緒に作業するというニュアンスは表現しているんだろうけれど「みんなで」ってのは、どっちかって言うと俺もお前も「考えて」動こうぜってニュアンスが含められてるじゃんか。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちに刷り込まれているこの感覚をどうすれば伝える事が出来るんだろうか?

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