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ヒトと会う場を提供してくれるヒト

あんたはこれからの世の中の動きってなにから始まっていくと思う?

インターネットが俺たちの生活の中に取り込まれてから、俺たちは実に多くのことを検索するようになった。
フェイクニュースの問題もあるが、ネット上には玉石混交のありとあらゆる情報が満ち溢れている。

ちょっとしたことなら、あっという間に「正解」の情報にたどり着くことが出来る。
あんたも冠婚葬祭でのマナーとか調べたりしているだろう?

正解の情報が満ち溢れているってことは、その情報の価値が相対的に下がっていくことを意味している。
みんながみんな正解の情報をゲットしているので、その情報を元にしたサービス品質ってやつは結果的に均一化していく。

同じようなサービスが提供されるのであれば、俺たちが客の場合はどうやってサービスを選んでいるかね?
実際、そのサービスを「誰が」提供しているかで選んでないかい?

今回は、俺たちがサービスを選択するために使っている「ヒト」について考えてみる回だ。

ヒトとなりという情報

ヒトとなりって言葉があるよな。

いろいろなヒトとコミュニケーションをしていくのにあたって、相手に対する自分の印象ってのは結構大きな要素だと思う。

その印象いかんで、俺たちは相手に対するコミュニケーションのとり方を調整していっているってのが事実だと思うしね。

そこで改めて思う。

ヒトとなりってなんだってね?

いろいろなヒトと会って話をしてみるときに、そのヒトの考え方だとか感じ方だとかを俺たちは想像しながら話をしていると思う。
その想像の根拠が俺たちの感じているそのヒトの「ヒトとなり」なんだと思う。

ところが、その根拠となるものがなんで感じられているのかってことを俺たちはあんまり言葉として整理することをしていないよな。

きっとこれって大切な事実なんじゃないかと思う。
俺たちは話をする相手を言葉で評価していないってことは、言葉というインタフェースを使わずして、俺たちが相手を把握しているってことだからな。

いわゆるノンバーバルコミュニケーションってやつだ。

ヒトに会いに行くってきっかけ

このノンバーバルコミュニケーションってやつをするためには、今現在は直接会うしか方法がない。

技術の発展によって、俺たちはもしかしたら遠隔地にいる相手とまるでそこにいるように会うことが出来る仕組みが出来るかもしれないが、少なくともノンバーバルコミュニケーションで俺たちが何を情報交換しているのかすら俺たちには理解できていない以上、技術が完全にそれを補完することは当面は出来ないだろう。

でも、直接誰かと会うって機会はなにげにレアだよな。
普通に暮らしているのでは、特に誰かと会うって約束をする必要もないし、俺のようなシャイオッサンにとっては、ヒトに会うってことそのものがハードルを感じたりもする。

それでも誰かに会いに行くってことの価値は非常に高い。
なぜって?
そりゃ、自分とは違うヒトの言葉に触れるってことは、自分の価値観を拡張するってことだもんな。

あと、シンプルに楽しい。
ヒトと会うってのは楽しい。

そのことをこの間、初めて会って話をしてくれた澤さんが教えてくれたんだよね。

澤さんはスナックキャンディという西野亮廣さんと前田裕二さんがオーナーになっているスナックの代理ママを定期的にやってくれているって御仁だ。

このスナックキャンディは結構特殊な運営方法を取られている。
五反田に本店があるんだが、その場所は非公開。
場所は月額500円のfacebookグループに入って初めて知らされる。
しかも、このお店、お酒の仕入れとかを基本はしない。
そのお店に来るヒトが「差し入れ」を持ってきたものをそのままお客に出す。

で、差し入れを持ってきた本人が一杯500円払ってお酒を飲む。
なんなら自分が持ってきた差し入れそのものを500円で飲む。

意味がわからないって?
確かに文字にすると意味が全くわからないような気もする。

でもそこには確実にあるものがある。
そいつがノンバーバルコミュニケーションってやつだ。

そこに行こうってヒトはほぼ確実に「誰かと話そう」って思ってきている。
しかも差し入れというお客の優しさでお店が出来上がっていることも理解している。

そうなんだよ。優しさが前提にある場所でのコミュニケーションってやつほど心地よいものはない。

その心地よい場を演出してくれるヒト。それがスナックキャンディのママってわけだ。

で、本来はスナックキャンディ本店のママはホームレス小谷さんが勤めている。
だけれども、小谷さんがママをやっていることは逆にまれで、だいたいが代理ママという普段はお客としてスナックキャンディに来ているヒトが「今度代理ママやるんで来てね」ってな具合に集客まで含めてやるってのがレギュラーな運営形態なんだ。

その代理ママを定期的にしてくれているのが澤さんってわけだね。

そんな澤さんに聞いてみた。
スナックキャンディの代理ママって楽しいの?ってね。

そしたら、澤さんはにっこりと笑ってこういった。
「楽しいっすよ」
ノンバーバルコミュニケーションここに極まれりだ。

何が楽しいのかわからないって?

なら、いっぺん行ってみると良い。

あんたの周りにスナックキャンディのパトロンがいるなら連れて行ってもらうのが早道かもしれない。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちは、誰かと会うことそのものを楽しんでいけるって確信できるかい?

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